5月中旬、オランダのシーズン終了直前、小林祐希に会いにヘーレンフェーンまで出かけた。 練習後に立ち話でコメントをもらえればそれでも良い。忙しければ、後日時間をくれないかと告げるだけでもよいと思っていた。 想像通り、その日はいつもと違う場所での練習だったこともあり、取材対応の時間をもらうことはできなかった。だが小林は「連絡します。取材窓口は俺なので」と言い、チームメイトの自家用車に同乗してクラブハウスへと帰って行った。 するとその日のうちに、インタビューが決まった。 インタビュアーと取材対象者が親しい場合、もしくは日本人がほぼいないリーグに所属している選手ならば、こういった流れはよくある。だが、日本代表にも選ばれるほどの選手の場合、なかなかこうはいかない。“面白いヤツ”という噂は本当なんだな、というのが、小林への率直な印象だった。 そのやり取りから約1週間後の晴れた午後。ヘーレンフェーンで一