1.診断→予測→提案型リサーチの復権 1960年代には丹下健三、地理学者の木内信蔵らが日本地域開発センターを主導した。70年代にはCDIやNIRAなどのシンクタンクの創設が相次ぎ、黒川紀章が社会工学研究所を率いるなど、都市のマクロ的リサーチが隆盛した。なかでも日本地域開発センターは、国土計画、地域経済、交通・人口量調査などの統計データを駆使し、それらのデータをアイソタイプなどによってヴィジュアル化した。そのことにより、都市の全体的な構造を浮かび上がらせ、共有可能なものにし、政策提言へと結びつけていった *1。 その後、80年代は江戸-東京論ブームのもと、記号論、現象学、カオス肯定論を通じた、コンテクストの読み込み、表層や断片の類型化、街路における経験の記述など、都市のミクロ的リサーチが進んだ。具体的には、陣内秀信の『東京の空間人類学』や藤森照信らの路上観察学会の仕事などを挙げることがで