小菅正夫「旭山動物園の奇跡はすべて七帝柔道から学んだ」完全版 (『ゴング格闘技』2009年8月号掲載) 七帝柔道出身の小菅正夫が、旭山動物園園長に 就任したとき、その入場者数は「どん底」にあった。 閉園目前だった日本最北の小さな動物園が、 月間入場者数で日本一になるまでには、 絶体絶命のピンチにブレない、確かな『理念』があった。 「スターシステム」に異をとなえ、 動物本来の魅力を引き出す「行動展示」を模索する。 小菅は、その驚くべき経営改革哲学を 「すべて七帝柔道から学んだ」という。 動物園はなぜ、必要なのか。そして格闘技は──。 文・構成◎松山郷 「日本一環境の厳しい動物園」 かつて旭山動物園は、そういう場所だった。いや、今でも寒暖差が最大70度にもなり、1年の半分近くを雪に閉ざされる旭川の自然環境は、日本一厳しいことに変わりはない。しかし、今やこの日本最北の動物園の動物たちにとってその