川原由美子『ななめの音楽』(朝日新聞出版) 川原由美子『ななめの音楽』(朝日新聞出版)を読んだ。1950年頃のレトロ&レトロフューチャーな飛行機と百合テイストと白昼ポエムを結合させた謎のまんがである。なお白昼ポエムはメカ側(=『湾岸ミッドナイト』)ではなく百合側。…と説明しても、なんだかわけがわからないが、読んだ私もなんだかわからない。 2巻232ページの展開も謎だった。とはいえ思えば川原由美子は昔からずっとこんな感じだった。なにが「こんな感じ」なのか説明が難しいが、まるでホモソーシャルな人間関係に恨みでもあるような、とでも言えばいいか。 もう少し詳しく言えるような気がしてきたので追記する。 2巻232ページの異様さは、下半分のセリフで世間的な一般論を語っているところにある。 自分がいかに結婚相手としてふさわしいかを世間的な一般論で説明するプロポーズは、結婚相手を選ぶ自由がほとんどない世界