大日本帝国はいかにしてブラック国家となったか タイトルは釣りです。 山中恒『ボクラ少国民』『御民ワレ』を読んだ。戦前の国民学校で行われた「皇国民の錬成」の有様が、著者の体験を交えつつ、これでもかこれでもかとばかりに執拗に記されている。 『御民ワレ』が出たのは1975年、敗戦から30年後だ。今は2013年、『御民ワレ』が出てから40年近く過ぎている。『ボクラ少国民』『御民ワレ』は一種の歴史書だが、今となっては、それ自体が歴史の一次史料として読める。 現在の目で読んで、私の頭に浮かんだことーー「ブラック国家」。 「これまでくり返し述べてきた〈皇国民ノ錬成〉という概念規定が、どうもよくわからないのである。〈皇国ノ道ヲ顕現〉する臣民が〈皇国民〉であり、〈皇国ノ道〉とは、『教育勅語』に示された〈斯ノ道〉のことであり、それが〈皇国ノ道〉であると、逆戻りして来て、エンドレスの迷路にはいりこんでしまうので