本屋には一生を費やしてもおよそ読み切れなさそうなくらいの本がある。おおきな本屋であればなおさらだ。かたっぱしから棚をみて歩かなければ一生出会わなかったであろうジャンルの本に、ふつうの本屋ではなかなか見つけられなかった限定版。いままで見たなかで一番わくわくする図鑑に最新の雑誌もずらり。そこはおどろくことばかりつまった嘘みたいな場所で、あの書棚もまた私にとっては未知だった。 足元から天井までずらっと伸びる本棚のひとつぶんに、それに名づけの本たちはきゅうくつそうに詰められていた。男の子の名づけ本に女の子の名づけ本。最新の2019年版であることを前面に押し出す本があると思えば、こちらの本は専門家による姓名判断がウリのようだ。ほかにも、名前の「音」「響き」に焦点を絞っている本や、名づけに使える漢字をひたすら解説する本。そんなたくさんの名づけ本が、2m以上もある巨大な本棚を埋め尽くしている。一度つけれ