「仕様書」は,設計者とプログラマをつなぐ重要なコミュニケーション・ツールだ。それゆえ,安易な書き方をすると問題を起こす。よく議論されるのは,「仕様書の内容はどこまで詳しく書くのが適当か?」という点だろう。過剰品質を避け,効率的に書きたいところだが,きちんと意図が伝わることが大前提である。二つの実例を通して,そのキー・ポイントを紹介する。 今回から,題材を「仕様書」に移して設計書作成の心得を紹介していこう。 前回までは,ユーザーからの要望聴取を基に作成する基本設計書を題材として,設計者とユーザーとのコミュニケーションを軸に展開してきた。これに対し,今回から取り上げる「仕様書」は,基本設計書を基にシステムを実装するプログラマやSEに対して,より具体的なシステムの詳細を伝える設計書である(図1)。 このような設計書は「詳細設計書」や「プログラム仕様書」など,様々な名前で呼ばれていることと思う。ま
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