オーボエとかいう楽器を人並みに吹けるというのが、人生の中の数少ない自慢できる事柄です。普段は福岡の大学で歴史学を学んでいます(学んでいるはずです)。 著者 団 伊玖磨 出版日 著者名を見て、「おや?」と思われた人もいるかもしれません。著者は「ぞうさん」や「花の街」の作曲者である團伊玖磨です。なぜ作曲家の團が、日本の音楽史を語っているのか。自伝を読んでみると、実は幼少の頃の團は「歴史を専攻する事に決めていた」と言います(『青空の音を聞いた』17頁)。にも関わらず、どうして作曲家になろうとしたかはまた別の話。 話を戻すと、團の日本音楽史の叙述はさすがに歴史家らしく、広い視野でなされています。歴史の大枠をつかむのに、これほどうってつけの本はそうそうありません。 副題にある「異文化との出会い」の通り、クラシック音楽以前に日本にやってきた音楽として、仏教音楽、南蛮音楽に言及し、更には日本独自の音楽と