金沢文圃閣の『日本陸軍『各部隊文庫図書目録』ーー帝国軍隊の読書装置』がtwitterで話題になった。1910年頃における宇都宮、熊谷、佐野連隊などの陸軍における『各部隊文庫図書目録』の復刻である。こういう特殊な環境下の読書状況は、まだまだ研究が進んでいないようだ。軍隊内ではないが、獄中読書については拙ブログで紹介したことがある。 ・「巣鴨プリズナーも最後は神頼み? - 神保町系オタオタ日記」 ・「西式強健術で健康維持に努めた獄中の蔵原惟人 - 神保町系オタオタ日記」 ・「350冊もあった小菅刑務所内の橘孝三郎文庫 - 神保町系オタオタ日記」 さて、和田敦彦『読書の歴史を問うーー書物と読者の近代ーー』(笠間書院、平成26年7月)にも獄中読書に関する記述がある。 また、林房雄の『獄中記』や村山知義の書簡集をもとに、監獄の読書についてとりあげた中山弘明の研究もある。村山知義の場合、一九三二(昭和