タグ

ブックマーク / blog.goo.ne.jp/hiroyuki-ohba (8)

  • 古書愛好家による新雑誌の創刊号、少しの空白も許さない? - 29Lib 分館

    近代出版研究所『近代出版研究 / 創刊号』頒布:皓星社, 2022. 日出版学会に『出版研究』という学会誌があるが、それとはまったく無関係。国立国会図書館退職した小林昌樹が、フリーの書誌学研究者(?)の森洋介と皓星社社員(?)の河原努と三人で「近代出版研究所」なる団体を起ち上げ1)、その機関誌として発行されたのがこの『近代出版研究』ということになる。寄稿者は三人のほか、読書猿、大月隆寛、菊地暁、下平尾直、神保町のオタ、安形麻理、田村俊作、松﨑貴之、鈴木宏宗、書物蔵、戸家誠、稲岡勝、武者小路信和となっており、「知った名前がちらほらあるけれどもよくわかない取り合わせだなあ」という印象だった。全員古書愛好家ということでいいんだろうか。 最初は、所員三名+その他四名による座談会。明治初期の出版を対象とする研究者はほとんどおらず「なぜ江戸期書肆は近代出版社として生き残れなかったのか」という謎がま

    古書愛好家による新雑誌の創刊号、少しの空白も許さない? - 29Lib 分館
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2022/06/17
    司書課程の先生による近代出版研究評。あれは古本人脈で成立しているからねぇ。
  • ご当地ラーメンを求めて、ついでに日本図書館情報学会の集会に - 29Lib 分館

    先日、奈良にある宗教都市・天理市にご当地ラーメンがあると聞いたので、さいたま市からわざわざべに出かけた。ついでに天理大学で開催される日図書館情報学会の研究集会にも顔を出した。 さて、今回の日図書館情報学会の研究集会は発表数こそ多かったものの、僕が見たかぎりでは質疑応答が低調で、議論が盛り上がっていなかった。会場から質問が出ないので、司会者が無理矢理尋ねたいことをひねりだす、というシーンをしばしば目撃した。これは、発表者が多くて会場が三つに分散してしまったため、一会場における聴講者数が少なくなったせいだと思う。やはり一会場にある程度の人数が集まるようしたほうがいいんじゃないかな。あと、巨大な研究テーマの一部分を切り取っての発表というのがけっこうあって、その切り取った範囲ではコンパクトにまとまった発表であるものの、発表者の全体的な研究計画やコンセプトがわからなくて、聴く方の関心に訴えてこ

    ご当地ラーメンを求めて、ついでに日本図書館情報学会の集会に - 29Lib 分館
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2016/11/15
    「宮本剛志(日本大学)の~発表者はかつて国会議員の秘書だったとのこと。その立場で~通ううちに閲覧制限の存在を知って~。現在、児童ポルノに該当する「おそれ」のある本は、閲覧制限が」
  • 数少ない英国図書館史の訳書で貴重、しかし翻訳に難あり - 29Lib 分館

    アリステア・ブラック『新・イギリス公共図書館史:社会的・知的文脈1850‐1914』阪南大学翻訳叢書, 藤野寛之訳, 日外アソシエーツ, 2011. 英国の公共図書館について、成立期から第一次世界大戦までの間の、時代の雰囲気や思想的背景から、当時その意義についてどう解釈されてきたか、そして現在どう解釈されうるかを論じた内容。専門家向けではあるが、英国図書館史を主題とした日語の書籍はありそうでいてほとんど無く、意義があるだろう。 論述の流れは次のようなものである。19世紀のイギリスでは、経済の繁栄とともに労働者階級の伸張があった。こうした背景の中、公共図書館の設立や普及に重要な影響を与えた思想として、当時流行していた功利主義をまず探っている。1850年の公共図書館法成立に尽力した議員ウィリアム・ユーワートと図書館員エドワード・エドワーズには、その影響が見られるそうだ。ただし、ここでは功利主

    数少ない英国図書館史の訳書で貴重、しかし翻訳に難あり - 29Lib 分館
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2015/03/26
    あはぁ、藤野先生のお子さんの訳かぁ…。 しかし幸雄先生、閲読とかせんかったのかなぁ…。
  • 裁判沙汰や発禁処分によって逆に本は売れるようになるという - 29Lib 分館

    フレデリック・ルヴィロワ『ベストセラーの世界史』太田出版, 2013. ベストセラー書籍をめぐる歴史エッセイ。著者はフランス人で、話もフランスおよび英米が中心である。エピソード中心の記述であり、通史を期待すると裏切られるが、挙げられたエピソードはかなり面白くて小ネタ集として使える。 ネタのいくつかを開陳すると、アレクサンドル・デュマはゴーストライターを使って作品を量産していたとか、検閲は機能しない──裁判沙汰になると逆に世間の関心が高まる、発禁になれば外国で刷られる──とか、数億単位のベストセラー書籍のほとんどは宗教書か毛沢東語録のような押しつけられただとか、現代の米国人作家は全米図書賞よりもオプラ・ウィンフリーの番組で自著が紹介されることをのぞんでいる(その方が確実に売れるから)とか、である。 著者には「検閲、万歳!」と書いてしまう皮肉なセンスがあるのだが、それでもいやらしい感覚は少な

    裁判沙汰や発禁処分によって逆に本は売れるようになるという - 29Lib 分館
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2013/11/15
    「はだしのゲン」も発禁騒動で売れたとか
  • 読解力における学習効果においてマンガは活字の本より劣る - 29Lib 分館

    最近のエントリで、マンガを読むことは所得にマイナスの影響を与えるということを記した。この件についてもう少し加えておきたい。マンガと活字のの間には、その学習効果において差が無いと考える人がけっこういるようだ。彼らに言わせれば、マンガばかり読んでいるのに仕事のできる人もいれば、活字中毒の馬鹿もいるというわけである。しかし、統計的にはそんなに甘い話ではないことがわかっている。 すでにマンガが学校成績に与えるマイナスの影響について示した調査がある。吉岡亮衛による中学生を対象とした調査1)(『読書教育への招待』所収)である。調査では、最近一か月間何もを読まなかった「非読者群」、マンガだけを読んだ「マンガ群」、マンガもも読んだ「マンガ群」、だけを読んだ「群」の四つのグループに生徒を分け、読解力試験の結果を比べている。すると、非読者群の平均点がもっとも悪く、次にマンガ群のそれが悪かった。

    読解力における学習効果においてマンガは活字の本より劣る - 29Lib 分館
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2013/10/15
    マンガだけだと、やっぱりアタマが悪くなるという実験結果(σ^~^) あっ、なにも読まないともっと悪くなるみたい(・o・;)
  • 「図書館を知的自由と結びつける」という隘路 - 29Lib 分館

    来年度「図書・図書館史」を講義することになったので、ちょくちょく関連文献を読んでいる。それに関するノート。 図書館史では敗戦後に米軍の手によって図書館法が施行されて、近代的(すなわち「民主主義的」)な公共図書館を全国に普及させる基盤が整ったと見る。しかし、無料の原則といったよく強調される点を除けば、日の戦前と戦後しばらくの公共図書館は目的において共通している。「社会教育」である。 教科書的な図書館史では、戦前の図書館は「思想善導」に利用された保守的で悪いものであり、戦後の図書館は「見識ある市民の育成」のために奉仕するリベラルで善なるものという図式を使って、両者の間に断絶を見る。しかし、公共図書館教育機関として捉えている点では戦前も戦後も同じである。皇国のために奉仕する国民を造り上げることと、民主主義体制を維持するために「市民」を形成することは、公共図書館のもたらす便益が利用者の教化を通

    「図書館を知的自由と結びつける」という隘路 - 29Lib 分館
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2012/01/07
    ちょっと前まではこの通りと思うけど、米国最高裁のpublic forumの法理(のlimited版)が日本国最高裁を通じて日本法に継受されたので法的状況は少し変わったかも。
  • 公共図書館史における戦後民主主義 - 29Lib 分館

    石井敦, 前川恒雄『図書館の発見:市民の新しい権利』NHKブックス, NHK出版, 1973. 既に新版が刊行されているが、ここでコメントするのは旧版のほう。二人の著者の正確な分担は明らかではないが、刊行当時の図書館の状況について述べた一・二・六章は前川の担当、日図書館史について述べた三~五章は石井の担当だろう。 2008年に著作を読み返してみて引っかかることが多いのは、日図書館史の記述の方。そのトーンは、「一般民衆は自由に読書する機会を求めていたが、常に政府の図書館政策は不十分でかつ歪められていたため、これに応えることができなかった」というもの。明治から昭和にかけて、民衆は民間で読書クラブなどを作って図書館への需要を示していたが、一方で公共図書館は、蔵書が不十分で閉架式で課金があるうえに、思想善導などに利用されて、非常に駄目な機関だった、というストーリーになっている。 このは、

    公共図書館史における戦後民主主義 - 29Lib 分館
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2012/01/07
    「石井の史観は現在の図書館史でもスタンダードだと聞いた」だって日本中の教員がきちんと批判せんのだもの。教科書だって館種別に分担執筆しておわり。川崎良孝も藤野幸雄も絶対に国内のことに言及せんしね(σ^~^)
  • 日本における社会教育と図書館の結びつきを詳細に論じる - 29Lib 分館

    山梨あや『近代日における読書と社会教育図書館を中心とした教育活動の成立と展開』法政大学出版局, 2011. 慶應義塾大学に提出された博士論文を書籍化したもののようである。明治後期の1900年代から高度成長期の終わる1960年代までを期間として、日政府から公立図書館関係者までが、どのように読書を社会教育に結び付けようとしていたかを論じる内容。第一章で読書論を概観した後、第二・三章で当時の官僚や東京市立図書館館長の図書館論を検証し、第四・五章で長野県中南部の図書館活動の実態を描く。 図書館と社会教育の結びつき自体は別に意外でも何でもなく、大衆向けに書籍を安価または無料で提供することを業務とする、「税金で運営される」図書館の必然に思える。なので、この種の近代化論ものによくあるパターン(「伝統的なものに見える〇〇は実は近代になって誕生した」)がもたらず驚きは少ない。そうした点よりも、この

    日本における社会教育と図書館の結びつきを詳細に論じる - 29Lib 分館
    shomotsubugyo
    shomotsubugyo 2012/01/07
    ようやく本職の研究者で石井史観の問題をはっきり言う人がでてきたね(゚∀゚ ) まあ20年くらい遅いけど。。。cf. http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20100912/p1
  • 1