今はちょうど、上場企業の決算発表の真っ最中だ。ITサービス会社の決算発表の場合、ポジティブな話として必ず出てくるのが、赤字プロジェクトをどれだけ押さえ込んだかである。短信などを読むと、「赤字プロジェクトを○億円までに減らした」と、各社とも経営努力の成果を前面に押し出している。結構なことだ。いや待てよ。本当に結構なことだろうか。 多くのITサービス会社がここ数年、巨額の損失を出した赤字プロジェクトに悩まされた。経営を危うくする赤字プロジェクトは悪であり、撲滅すべき対象である。いい加減な営業、いい加減な見積もり、いい加減な要件定義、いい加減なプロジェクト管理など、様々な失敗の芽を摘み取る努力をすることで、ITサービス各社は赤字案件を受けない、出さない体制をなんとか作り上げてきた。 で、ITサービス各社の2005年3月期の決算発表は、その成果発表会の様相を呈している。だから結構なことではないか、
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