腎臓移植のドナーを紹介した見返りに800万円を受け取ったとして、臓器移植法違反(臓器売買の禁止)などの罪に問われた住吉会系暴力団組長の坂巻松男被告(71)に対し、東京地裁は9日、懲役2年6カ月、追徴金180万円(求刑懲役4年、追徴金800万円)の判決を言い渡した。 細田啓介裁判官は「共犯者とドナー探しを引き受け、病院側に手術の取り計らいを働きかけるなど重要な役割を果たした。だが、受け取った利益は180万円で責任が最も重いとは言えない」と述べた。 判決によると、坂巻被告は2010年、腎不全を患っていた東京都江戸川区の医師(57)=同法違反罪で懲役3年確定=に対し、ドナーの男=同法違反罪で執行猶予付きの有罪判決確定=を紹介。医師を養父とするうその養子縁組をさせて、腎移植手術を受けられるようにした見返りとして医師側から800万円を受け取った。うち180万円が被告の取り分だった。 ドナーの男