小林多喜二の遺体を作家仲間らが囲む有名な写真。この写真の原板も一緒に見つかった(伊藤純さん提供) 「蟹工船」などで知られるプロレタリア作家の小林多喜二が、特高警察の拷問で死亡し自宅に運ばれた後に撮影された写真の原板が、20日までに東京都内で見つかった。遺体を母親セキらが囲み、悲嘆に暮れている様子を生々しく伝える貴重な史料だ。 作家仲間らが遺体を囲んでいる写真は有名だが、今回見つかった写真は存在も知られていなかった。双方の写真の原板が一緒に保管されていた。 見つかったのはガラス乾板という、現在のネガフィルムに当たるもの。プロレタリア文学研究者の伊藤純さん(82)が昨秋、都内の自宅で、父親で多喜二の作家仲間だった貴司山治の遺品を整理中に発見した。 (共同通信)