牛乳アレルギーと闘っていた母娘に何があったのか 「懸命な子育て」が一線を越えるとき過去最多の10万件を超えた児童虐待の相談件数。ルポライターの杉山春さんは、こうあるべきという型に過剰に適応しようとする、親たちの危うさを指摘する。 牛乳アレルギーがある長女(5)に、母親(35)は紙パックの牛乳を飲ませた。12月11日、午前9時ごろのことだ。娘が呼吸困難になって苦しみ始めると、症状を和らげる薬を注射し、自ら119番通報した。警察は「未必の故意」による殺意があったと判断し、殺人未遂容疑で母親を逮捕した。 母親と娘は二人暮らしだった。医師の指導を受け、娘にアレルギー耐性をつけるために微量の牛乳を飲ませる治療を普段からしていた。母親は児童相談所や警察署に「育児に悩んでいる。子どもを預けたい」などと何度も相談していた。 食品表示で原材料を確かめ、レストランでは店員に材料を尋ね、わずかに混じる乳製品にも
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