東北大学大学院医学系研究科の日高高徳医員(医化学分野・皮膚科学分野)、小林枝里助教(医化学分野)、山本雅之教授(医化学分野・東北メディカル・メガバンク機構 機構長)らは、大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の諸症状を引き起こす仕組みの一端を解明しました。これまで、大気汚染とアトピー性皮膚炎の患者数や重症度に相関があることが知られていましたが、その理由は不明でした。今回の成果により、大気汚染物質が転写因子AhRを活性化させることで神経栄養因子arteminを発現させ、皮膚表面の表皮内へ神経が伸長し、過剰に痒みを感じやすい状態を作り出すことがわかりました。過剰な痒みにより皮膚を掻いてしまうことで皮膚バリアが破壊され、皮膚から多くの抗原が侵入してアレルギー性皮膚炎を引き起こすと考えられます。本研究の結果は、これまでアトピー性皮膚炎の治療に対症療法的に使われてきたステロイド剤などに加えて、AhRの活性を