こんにちは、D3の大久保です。 先日「p 値とは何だったのか(Fisher の有意性検定とNeyman-Pearson の仮説検定を超えるために)」という論文を書いたのですが(大久保&會場[2019],生物科学70(4))、今日はそのプロモーションを兼ねて(?!)、この論文では主題として扱えなかった「AICと真のモデルの関係」について紹介したいと思います. ・はじめに 生態学の統計分析で赤池情報量規準(AIC)によるモデルの評価・選択は、本当によく見かけますよね。p値と並んで、データを解釈する上で最も重要な役割を果たしている指標と言えるかもしれません。しかしAICに関して、こんなことを聞いたことがある人はいないでしょうか。 「AICは予測のための指標である」 「AICは正しいモデルを選ぶために作られてない」 「AICはnを増やしても一致性がない」 どれも統計学的にはよく指摘されます。しかし