中国共産党 支配者たちの秘密の世界 著者:リチャード・マクレガー 販売元:草思社 (2011-05-25) 販売元:Amazon.co.jp ★★★★☆ 周波数オークションをめぐる総務省の奇怪な行動は多くの人に理解できないと思うが、本書を読むとよくわかる。彼らはウェーバー的な合理的官僚よりも中国共産党に近い、東洋的な家産官僚なのだ。 その共通点は多いが、最大の特徴は権力が法律ではなく人事権に依存している点である。共産党で最大の権力をもっているのは「中央組織部」と呼ばれる人事部門で、総書記から地方の党組織や国有企業の幹部に至るまでの人事を集中的に管理している。その選考過程は秘密で、当事者の合意も説明もなしに配置転換が行なわれる。チャイナモバイルなど3社の通信企業のトップを、組織部が同時に交代させたこともある。 今の共産党の支配体制は、伝統的な王朝とほとんど同じである。資本家がいなくなってすべ
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