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ブックマーク / agora-web.jp (47)

  • 民主党の生存バイアス - 池田信夫

    Ian BremmerとNouriel RoubiniがWSJで「日の民主党の方針は分裂している」と批判しているが、これは間違いだ。民主党の方針は反企業・親労組という点で一貫している。その結果出てくる政策が矛盾しているのは、この方針がナンセンスだからである。企業の投資を阻害して、労働者を豊かにすることはできない。 その典型が、民主党政権が来年の国会に出そうとしている公開会社法である。これは連合が求めている「労働者参加」を法的に義務づけ、日を資主義から社会主義に変える法案だ。このような時代錯誤の法案が21世紀になって出てくるのは、日が社民党政権で痛い目にあった経験がないからだろう。 企業を興して投資を行なうのは、きわめてリスクの高い仕事である。昨年の上場企業全体の収益はマイナスになり、法人税は還付超過になった。もちろんこれは一昨年からの急激な景気悪化によるものだが、普通の年でも法人税

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    sin16waki 2014/04/13
  • 文豪・夏目漱石が見た美術世界

    先週の金曜日、東京・上野の東京芸術大学美術館で開かれている「夏目漱石の美術世界展」を観に行きました。文豪、夏目漱石と美術表現との関係を、多種多様な作品や資料をもとに展開していく、という野心的な展覧会です。 展示内容は、漱石とターナーや英国ラファエル前派など西洋美術の出会いや作品、伊藤若冲や渡辺崋山、酒井抱一といった古美術、漱石作品と美術との関係、漱石の美術批評、親交のあった画家、そして漱石自身の絵画作品や自著の装丁などの紹介、といった流れで進んでいきます。英国ロンドン留学で西洋美術に触れ、漢文の素養などから古典美術へ興味を抱き、明治期の日画壇との親交を深め、とうとう自分でも絵を描いてしまった漱石、というわけです。 村上春樹の小説にジャズやクラシックがよく出てくる(逆に絵画はめったに出てきませんが)ように、夏目漱石の小説を読むと随所に絵画に関する叙述がちりばめられています。漱石に限らず、文

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    sin16waki 2013/06/02
  • フランスの教育に見る、教育の現実 : アゴラ - ライブドアブログ

    ペーパーテストで大学入学者を選抜することに反発する声があるようです(「ペーパーテストによる入試選抜は、学生の学習意欲を削いでしまう」 ) 確かに、ペーパーテストだけで人の能力を測ることは出来ませんが、恐らく、ペーパーテストに批判的な意見でも、ペーパーテストそのものに反対ということではなく、ペーパーテストが、知識や解法パターンの習熟、計算力といったものを見ているだけではないか、これは問題ではないか、というものが大部分ではないかと思います。 「日教育システムの問題点」で取り上げたように、潜在的な学習能力、分かり易く言えば「持っている知識を有機的に繋げて、問題を設定し、その問題を解決してゆく能力」の測定が大事だと考えています。 それでは、そのような潜在的な学習能力を重視して大学入学選抜を行ったら、どんなに素晴らしい教育システムになるのでしょうか? 知識の習得や、解法パターンの習得といっ

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    sin16waki 2012/10/01
  • なにが正解かわからない時代で大切なこと

    橋下市長のツイートは、橋下市長の考え方を伝える武器にも、また橋下市長の個性的なスタイルとしても定着しつつあるように思います。そして、ソーシャルメディアでは、ブログなどで今だに橋下市長憎しとばかりに粘着質な批判を書きつづけている人もいますが、それがまた橋下評価を高める役割を果たしているので興味深いところです。 さて、昨日の橋下市長のツイートで、真柄昭宏さんという方の『ツイッターを持った橋下徹は小泉純一郎を超える』の著書のテーマが「政治とは正解が分からない中で一つを選択するプロセス」だそうで、それに同感すると書かれていました。橋下市長ご自身も「そこを実体験しながら、政治と行政の役割分担、統治機構のあり方、政治決定のプロセスについて考えが進化していきました」とされています。まさに現代は、政治に限らず、ビジネスでも「正解が分からない中で一つを選択するプロセス」の質が重要になってきています。 ツイッ

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    sin16waki 2012/07/09
  • 文楽を救うには、歌舞伎の恩返し --- 島田 裕巳

    今文楽は大きな危機に直面している。だが、こうした事態が訪れることは、十分に予期されたことでもある。というのも、文楽は興行だけでは成り立たず、国や地方自治体の財政的な援助によって支えられてきたからだ。財政が危機に陥れば、国も自治体も文化事業への援助を見直すようになる。また、文楽が現在置かれた状況は、長年の経緯によるもので、一朝一夕に改められるものではない。 江戸時代にはもちろん、近代に入ってからも、文楽(人形浄瑠璃)は庶民の芸能として人気を集めてきた。人形を操ろうという素人はほとんどいなかっただろうが、義太夫の太夫を真似る素人はかなりいた。日三大推理小説の一つに数えられる『ドグラ・マグラ』の作者、夢野久作の父親で国家主義者だった杉山茂丸は、義太夫にのめり込み、『浄瑠璃素人講釈』という名著を残している。ちなみにこのは、今岩波文庫に入っているが、池波正太郎の愛読書の一つだった。 文楽が人気を

    文楽を救うには、歌舞伎の恩返し --- 島田 裕巳
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    sin16waki 2012/06/29
  • 「努力、友情、勝利」ビジネス書は大人の週刊少年ジャンプである

    突然だが、皆さんは週刊少年ジャンプにハマったことはあるだろうか?私は、ある。『キン肉マン』『北斗の拳』『聖闘士星矢』『ウイングマン』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が好きだった。 ふと気づいたのだ。勝間に代表されるビジネス書ブームがあったわけだが・・・。このビジネス書は「努力・友情・勝利」という週刊少年ジャンプの方程式をそのままなぞっていることを。 そして、ジャンプ同様に、胸は熱くなっても、自分が強くなれるわけではないのだ。 そう確信したのは、スマッシュヒットしている『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』(マイナビ新書)の著者、漆原直行氏の講演を聞いたからだった。 私が担当している女子大の講座でゲスト講演をして頂いたのだ。ビジネス書とは何か、代表的なの紹介、勝間和代田直之など代表的な著者の紹介、ビジネス書のツッコミどころ、代表的な手法であるパーソナルブランディングについての検

    「努力、友情、勝利」ビジネス書は大人の週刊少年ジャンプである
  • 事実誤認にもとづく「思想ごっこ」 - 『夢よりも深い覚醒へ』

    夢よりも深い覚醒へ――3・11後の哲学 (岩波新書) 著者:大澤 真幸 販売元:岩波書店 (2012-03-07) 販売元:Amazon.co.jp ★☆☆☆☆ 著者の以前のについては、私のブログで何度か取り上げたことがあるが、その特徴は冗漫で事実誤認が多いことだ。たとえば『<自由>の条件』ではケインズやハイエクを誤読し、その誤解をまるまる1章にわたって展開する。『ふしぎなキリスト教』に至っては、多くのキリスト教徒が怒っているように、正しい部分を探すのがむずかしい。 書は短い分だけましだが、致命的な勘違いにもとづいて1冊のが書かれているという点では、問題はもっと深刻である。それは彼が「偽ソフィーの選択」と呼ぶ次の寓話に明らかだ。 ソフィーの家に、ある日、強盗が入ってくる。強盗は、子どもかエアコンのどちらかを寄こせ、という。強盗は、ソフィーがどちらも拒むのであれば、子どもを殺し、エアコ

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    sin16waki 2012/05/21
  • ホワイトカラーなら、有給休暇を100%消化するのも過労死するのも自己責任 --- 城 繁幸

    東洋経済オンラインのステーキ・けん井戸社長インタビューがなかなか興味深い。 「倒れるのはそいつが悪いだけ。自己管理の問題だ。そもそも労働基準法がおかしい」発言の部分だけが注目されそうだが、重要なことを示唆している良インタビューだ。 もともと労基法は工場の生産ラインをモデルに想定していて、今の時代には明らかに合わない。工場でみんなでガチャンガチャンと一定時間機械を回すだけで利益の出せる時代は終わったのだ。 もうそういうポジションは中国内陸部やカンボジアに譲って、これからの日企業は個人が知恵を絞って生産性を挙げていくしかない。具体的には、時間で賃金や労働を図るシステムからの脱却だ。 だから、ホワイトカラーエグゼンプション(以下WE)のように、労基法の規制を大幅に緩和する政策は、方向性としては正しい。 ただ、そこには各従業員がちゃんと自己管理出来るような裁量が必須となる。有給休暇取得率の異常な

    ホワイトカラーなら、有給休暇を100%消化するのも過労死するのも自己責任 --- 城 繁幸
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    sin16waki 2012/04/25
  • 「総合戦略」というよりは「総花戦略」の経団連レポート

    経団連の研究機関の21世紀政策研究所が発表した2050年までの「シミュレーションと総合戦略」は、効果的な成長戦略を実施しなければ先進国からも脱落するという警鐘としては意味があるとしても、「総合戦略」というよりは、あれもこれもの「総花戦略」となってしまい、いったいなにが当の課題かが見えてこないものになってしまっています。 ニューズウィーク日語版のコラムで、冷泉彰彦氏が「このレポートを読んで怒りを抑えることができなくなりました」と内容への不満をあらわにしておられますが、経団連という組織の終わりの始まりというのは言い過ぎとしても、リーダー不在のままの寄り合い所帯という現状の限界を示すレポートなのかも知れません。 経団連レポート・日の財界は革新を拒否して成長を放棄するのか? ニューズウィーク日版 冷泉氏が、「グローバルJAPAN 2050年シミュレーションと総合戦略」は何とも不思議な内容な

    「総合戦略」というよりは「総花戦略」の経団連レポート
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    sin16waki 2012/04/23
  • 橋下市長に足りないのは対案 : アゴラ - ライブドアブログ

    OPINION 橋下市長に足りないのは対案 / 記事一覧 倉さんは、「橋下 vs 池田論争が切り開くもの」で、橋下 vs 池田論争を実務者と学者の論争と捉えておられますが、私は別の見方をしています。  それは橋下市長の議論には、対案がないということです。  橋下市長の消費税の地方税化案に対して、「それでは増税が先延ばしになり財政が持たない」という、「私の意見」に対して、橋下市長は4月9日に 論理だけで世の中は動かない。日国民全員が学者じゃない。国民感情を包摂する政治的行動が必要。 RT @agora_japan: アゴラ : 政治は論理を超えられない(橋下市長の識者批判への反論) http://t.co/2v0MsBwy posted at 15:41:06 といった形で反論されましたが、「じゃあ、どうするのか」という対案は示されませんでした。こういった重大な問題では、反論を

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    sin16waki 2012/04/18
  • 橋下 vs 池田論争が切り開くもの --- 倉本 圭造

    池田信夫氏と橋下徹氏の論争は、さらにヒートアップされているようですが、そこから生まれる示唆もまた大きく、こういう論争が、結果として導く未来は非常に明るいと私は思っています。 日は、アメリカのように「知性側」の立場に強力な「権限」を付与して、それを末端までガツン!と押し通してしまえるような国ではありません。そのこと自体、日における知性派の最大の苛立ちの元ではありますが、それが一周回って担保している長所的側面が日を支えている力というのは想像を絶する大きさなので、無理に転換しようとしても難しい。 「知性と現場」の間を、アメリカのような「権力関係」でなく、「何らかの信頼関係」で乗り切らなくては、決して前に進めないのが日なのです。 それを考えると、橋下氏の発言にポピュリズム的側面があり、「純粋な議論」だけを考えると必要のないように(知性派から見れば)思える論戦をしかけまくっておられるのも、「

    橋下 vs 池田論争が切り開くもの --- 倉本 圭造
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    sin16waki 2012/04/17
  • 「リードしやすい空気」を作れば橋下徹氏も丸くなれる --- 倉本 圭造

    前回の記事では、橋下大阪改革には、実際に細かい改革内容を見ていくと、「アンフェアな既得権は廃止しつつも、当に困っている人には直接的な保護が行くような方針」もかなりあるにも関わらず、一般のメディアだけを見ていると、さも「冷酷非道な弱者切り捨て主義者」に見えてしまっているという話をしました。 そして、そのギャップの背後には、「右か左か」「保守か革新か」といった「20世紀的な紋切り型」の延長ですべてが議論されることの不幸があり、そういう「宗教論争」ではなくて、現地現物的な発想で、「どうすればいいのか」にみんなの意識を集中していけば、むしろ「20世紀的には天敵同士」のような人たち同士の間にも、「来的な広く深い連携」が生まれるはずだ・・・というのが、ここまでの趣旨です。 では、「来仲間になれるはずなのにお互い天敵だと思っている人同士」を結びつける「共有された新しい文脈」は、どうすれば形成されて

    「リードしやすい空気」を作れば橋下徹氏も丸くなれる --- 倉本 圭造
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    sin16waki 2012/04/12
  • なぜ日本のマスコミはITに弱く、新しい時代を作れないのか

    なぜ、既存のマスコミと呼ばれる報道機関は、ITのみならず科学関係の情報に弱いのだろうかと、不思議に感じることがある。 よく言われるのが、法学部といった文系出身の記者が多く、また、会社内のピラミッドの頂点が、政治部の記者が中心になっているため、そもそも科学やIT系の情報を、長期的に取材を続けている記者が少ない点にあると言われている。また、数年ごとに配置転換が起きるために、それも特定業種の専門家を育てにくいという話も聞く。 ■ググればわかるような事前取材が不足 私自身、ゲーム関係を中心としたジャーナリストを生業にするようになって10年になるため、その分野では、専門的なジャーナリストという位置づけで認知されるようになってしまった。 ゲーム系でも、おもしろい人はたくさんいる。私自身はいつの間にか、ゲーム産業のビジネスについて追いかける担当みたいになってしまい、そういう話を中心に書くことが多い。 そ

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    sin16waki 2012/04/12
  • 橋下徹のポピュリスト宣言 : アゴラ - ライブドアブログ

    OPINION 橋下徹のポピュリスト宣言 / 記事一覧 私は、橋下大阪市長率いる大阪維新の会には、以前は少しは期待していたのですが、最近は、これはとてもではないが、期待できないし、期待してはいけないと思うようになりました。  それは、橋下氏自身にどうやら国民負担増を率直にお願いするという真摯な姿勢が見られないのと、あまりにも不勉強なのではないか、と感じるからです。 橋下氏の発言は、日々刻々、微妙に変化しており、なおかつ支離滅裂になってきていると思います。 よく考えたことを述べているというより、瞬発力だけで、述べているようなところも気にかかるところです。 ここでは橋下発言のいくつかを取り上げたいと思います。 4月6日に「ツイッター」で 今の税率のまま消費税を地方税化し、地方交付税を廃止すると、国は4兆円得をし、地方は4兆円損をする。そうすると地方はこの4兆円を埋めるために消費税を上

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    sin16waki 2012/04/07
  • 日本の債務問題は個人の「肥満問題」にそっくり!

    の「債務問題」は個人の「肥満問題」と二つの点で良く似ていると思っている。第一は、バランスの悪さが問題の質と言う事である。債務問題は結局の所、歳入と歳出のバランスが取れておらず結果、「国債」を雪だるまみたいに膨らます事となったと理解している。 一方、肥満問題はべ物から摂取するカロリーと、運動で代謝するカロリーのバランスが取れておらず、結果、内臓脂肪を溜め込み豚化すると言う事であると理解している。 今一つは、問題を解決しようとした場合、「財政支出」の削減には欲にまみれた既得権益者が反対する。「ダイエット」の敢行に於いては、何分「欲」という欲望を如何に抑えこむかと言うのが課題になる。何れの場合も「欲望」が問題解決を頑強に阻むのである。 問題解決のアプローチも似ているのではないか? 無駄な金など一円たりとも使ってはいない(怒)!歳出を減らす事は出来ないので、歳出見合いの歳入にすべきである

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    sin16waki 2012/04/01
  • 日本型民主主義の欠陥 - 『20歳からの社会科』

    20歳からの社会科 (日経プレミアシリーズ) 販売元:日経済新聞出版社 (2012-03-22) 販売元:Amazon.co.jp ★★★★☆ 著者は全員アゴラのメンバーなので、書評というより問題提起をしよう。 書のテーマとしている世代間格差は、アゴラの読者にはおなじみだと思う。著者のひとり加藤久和氏の書評でも書いたように、経済学者の意見はほぼ一致しているが、政治はこの問題に(与野党とも)まったく手をつけようとしない。その解決策としては、書の第1章で小黒一正氏が紹介しているように、世代別選挙区、ドメイン投票など若者の意思を反映させる制度改革が提案されているが、それで問題が解決するだろうか。 私は悲観的である。第一に、民主主義が民意を反映するというのは神話であり、さまざまなゆがみが避けられない。特に国政選挙では、1人の投票で結果が変わる確率はほぼゼロなので、棄権して他人の投票にただ

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    sin16waki 2012/04/01
  • 代表性の神話

    消費税をめぐる騒動は論理を超えたドタバタ劇になり、何が争点なのかさえ理解できない。ニューズウィークでも書いたように、ここには日の直面している代表性をめぐるパラドックスがあらわれていると思う。 民主党も国民新党も小沢一郎氏も、それぞれが民意を僭称しているが、問題はそもそも代表すべき民意が存在するのかということだ。議会制民主主義は一意的な民意を普通選挙で代表させることを前提にしているが、これは論理的に成り立たない。ArrowやGibbard-Satterthwaiteが証明したように、人々の異なる選好を一貫して代表させる民主的な投票手続きはありえないのだ。 もっと根的に議会制民主主義を否定したのがマルクスである。彼が議会を「ブルジョワの委員会」と軽蔑したことはよく知られているが、これは「議員が階級的利害の代表者だ」という単純なことを言っているのではない。『ルイ・ボナパルトのブリュメール18

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    sin16waki 2012/04/01
  • 政教分離というイノベーション

    大阪市の騒動は選挙リストの捏造など泥沼化してきたが、維新の会の今までの政党にない特徴は、橋下市長のカリスマ的な求心力が強く、彼のいうことはすべて正しいと思い込む熱狂的なファンが多いことだ。このため、紛争もイデオロギー的な宗教戦争の様相を呈してくる。 これは政治運動としてはよくあることで、中国の歴代王朝も宗教的な信念にもとづく農民反乱からできたものが多い。国家の質な機能が戦争にあるとすると、命を賭けて個人を超える<祖国>を守るモチベーションは合理的な計算からは出てこないので、専制君主を神格化して人々を感情的に統合する必要がある。これは現代中国もイスラムも同じで、市民的自由のないことが政治的不安定の原因になる。 これに対して近代政治のイノベーションは、政教分離で宗教的な権威を政治から切り離し、信教の自由を認めた点にある(表現の自由はその帰結)。これは激しい宗教戦争を経てたどりついた「休戦状態

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    sin16waki 2012/03/28
  • 虚無の山賊と第三の案

    ある貧しい村が隣の豊かな村を羨み、徒党を組んで襲撃した。何回かはうまくいったが、何度も襲撃される隣村は、やがてだれも住まなくなり、二つの村とも消滅した。だが、いま、政治で同じことが行われている。高税で財政を再建しても、経済が破綻すれば共倒れ。改革で行政を縮減しても、公務が停滞すれば行詰り。目に見える敵を勇ましく攻撃しまくるのは、即席で世間の人気を得ようとする山賊政治家の常套手段。しかし、それは、右から奪って左に与えているだけ。略奪した獲物を手柄と誇るが、じつは自分ではなにも生み出してはいない。だから、いずれ結局、左から右へ戻さざるをえなくなる。そのツケは、余計な操作をしただけ、ムダに大きい。 かつて消費者の味方を標榜し、規模を楯にメーカーを締め上げ、全国に君臨した一大スーパーチェーンがあった。納品するメーカーは、その山賊的な力に屈し、スーパーの身勝手な安い値付けに甘んじるしかなかった。だが

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    sin16waki 2012/03/19
  • 橋下徹氏に期待するもの

    これから日政治はどうなるかが五里霧中の中で、橋下氏は一つのキャスティングボードを握ったと見ていいだろう。閉塞感にやりきれなくなってきた国民の多くが、「彼の様な人間が国政に大きな影響力を持ったらどうなるだろうか」と秘かに期待を膨らませ始めている事は間違いない。一方で、反橋下の言説の多くは、「政策」ではなく「生い立ち」や「コミュニケーション手法」などを問題にするものが多く、一般にレベルが低い。 「赤字の大阪府を放り出して、大阪市に横滑りし、今度はそれも放り出して国政にしゃしゃり出るのか」などと言っている人達がいるが、彼は「大阪市と大阪府の二重構造を解消するのが財政健全化の出発点」「国政の壁の為に地方自治のあるべき姿が実現しないのなら、自分の手で国政を変えるしかない」と言っているのであり、彼の以前からの発言と現在の行動との間には矛盾はない。「ハシズム」批判が大阪市長選ではさしたる効果を生まな

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    sin16waki 2012/03/19