宇宙航空研究開発機構(JAXA)と防災科学技術研究所(防災科研)で、論文を閲覧するデータベースの契約を年間購読から閲覧回数に応じて支払う方式に変えた場合、2年間で計2千万円の経費を削減できることが会計検査院の調べでわかった。年間購読を続けながらも閲覧がゼロのケースもあり、検査院は契約方式を変えるよ…
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と防災科学技術研究所(防災科研)で、論文を閲覧するデータベースの契約を年間購読から閲覧回数に応じて支払う方式に変えた場合、2年間で計2千万円の経費を削減できることが会計検査院の調べでわかった。年間購読を続けながらも閲覧がゼロのケースもあり、検査院は契約方式を変えるよ…
新潟大学は今後おおむね2年間をメドに、教員人事を原則凍結する方針を決めた。定年退職する教授が出ても、新規募集や内部昇任を控える。決定は1月28日付で、即日実施。2004年度の国立大学法人化以降、国からの運営費交付金が減少傾向にあり、同大の財政事情も厳しさを増す中、退職する教員の補充を控えることで人件費を抑える目的がある。 高橋姿学長は「教員の給与を減らすわけにはいかないので、退職者の補充を控える形とした。苦渋の選択」と話す。5人分の空きポストができれば1人補充するなど、一部例外措置は設ける。新潟大は1月からは、50歳以上を対象とする教職員の早期退職募集制度も始めており、人件費の抑制策を進めている。 一方、各学部では財政難のため、実験に必要な消耗品を教員がポケットマネーを使って購入するなどの事態も生じており、一部教員らは執行部の運営手法に反発。「新潟大学の現状と将来について考える教員有志の会
公的資金を使った研究について、政府は学術論文やデータをネット上で原則公開させる方針を決めた。国内の科学技術関連予算は年間約4兆円に上るが、論文の多くは有料の商業誌に掲載され、自由に閲覧できない。成果を社会で広く共有し、研究の発展を促す狙い。 国内の大学や研究機関が関わる科学技術の論文数は年間7万本を超える。米国や英国で公的資金を使った研究論文の公開義務化が広がっており、日本でも進める。22日に閣議決定した第5期科学技術基本計画(2016~20年度)の期間中に実施を目指す。 国の研究費を配分する科学技術振興機構や日本学術振興会が大学などに研究資金を出す際、論文の公開を条件にする方法などを検討している。研究者は、論文を無料で読める電子雑誌に投稿するか、有料の雑誌に出す場合は大学などが設ける専用サイトで、ほぼ同様の内容を無料で読めるようにする。 STAP細胞などの研究不正が… この記事は有料会員
静かに勉強するだけでなく、学生が議論したり発表練習したりできる大学図書館が増えている。自分で考えて問題解決する「アクティブ・ラーニング」(能動的学習)を求められるようになってきたためで、新たな知の拠点として図書館が見直されている。 東京都世田谷区の成城大学。2013年9月、図書館入り口近くの雑誌棚を撤去して、学生が議論などをできるスペースに変えた。閲覧スペースとはガラス板で仕切られ、「資料づくりの分担を決めよう」などと学生の声が飛び交う。液晶ディスプレーやホワイトボード、ノートパソコンなどを自由に使える。 図書館の新井和之事務長代理は「課題解決型の授業が増え、学生の間で議論や発表練習のニーズが高まっているが、これまで場所がなかった」と説明する。図書館にスペースを設ければ、すぐ近くに書籍や雑誌などがあってすぐ調べものができ、利便性は高い。 学生の評判は上々だ。約30人… こちらは有料会員限定
格差社会には、上と下がある。ふたつの世界で育った子どもは、何がどう違うのだろう。お金、教育、考え方……。同じ東京に住みながら、互いの存在をほとんど知らない。専門家がふたつの世界の「分断が進んでいる」と警鐘を鳴らすなか、もうひとつの世界に足を踏み入れた、2人の大学生に会った。■「日本の貧困、知らなかった」ユミさんの場合 「貧困は、海外の話だと思ってました。日本にもあるって知らなかった」。慶応大4年のユミさん(23)は言う。父は大学の教員で、母は小中学校の教師。東京都世田谷区の一軒家で育った。小学校は区立に通い、中高は都内で名の知れた私立の一貫校に進んだ。 小学生の頃、近所の団地に住む子の家に遊びに行った。「うちより狭いな」と思った。団地より一軒家の方が「ランクが上」らしい。そもそも世田谷は、お金持ちが多いみたい。大きくなるにつれて、なんとなく理解していった。ただ、それ以上、何かを考えることは
地域によって広がる大学進学率の差は、能力があるのに進学できないという状況を生んでいる。大学の少ない地域から、大都市圏の大学をめざす高校生を持つ家庭には下宿代などの経済負担がのしかかる。 「本当は大学に行きたいんだけど、親から言われたんだよね」。青森県立の高校で進路指導を担当する50代の男性教諭は今春、3年生の女子生徒が冗談めかした言葉に、切なくなった。提出された進路調査の第1志望欄には「公務員」。国立大も狙える学力だが、重い費用負担が理由だ。大学生の兄がおり、「妹の学費まで賄えないのだろう」と推し量った。 例年、約300人の3年生全員が進学を志望するが、今年は就職希望者が約20人。同僚と「経済的な理由だろう」と話した。かつて成績上位の生徒に東北大(仙台市)を勧めたら、生徒の親から「金がかかる。余計なこと言わないで」と怒られたこともあった。 隣の秋田県。小中学生の全国学力調査で上位の常連だが
集い語る 大学図書館に明るい光が差し込むよう工夫されている明治大の和泉図書館=東京都杉並区 明治大の和泉図書館の情報リテラシー室での授業風景。授業のない時は、学生が自由に使える=東京都杉並区 【宮崎健二】難しそうな背表紙が並ぶ本棚に囲まれながら、ひとり黙々と勉強する――。そんなイメージの大学図書館が変わりつつある。グループで議論ができる「ラーニングコモンズ」と呼ばれるスペースを設ける大学が増えているためだ。同時に開館時間を延ばす例も多く、学生にとっては静かにページをめくるというより、にぎやかに集う場になってきた。 ■おしゃれな空間 利用者増える 昨年秋に四つの図書館を統合して開館した立教大の池袋図書館(東京都豊島区)には、壁で仕切ったグループ学習室8室がある。十数人のグループ用で、原則として予約が必要。このほか、予約不要で議論などに使える「ラーニングスクウェア」もある。 続きを読む この記
今年3月10日付の東大新聞「前期合格記念号」記事をチェックする東京大学新聞編集長の丸沢英将さん=東京都文京区本郷の東大構内の編集室 【鬼頭恒成】東大生がつくる「東京大学新聞」がピンチだ。毎年3月に本郷キャンパス(東京都文京区)である入試合格者の受験番号掲示が、来春は中止されることで思わぬ余波を受けているのだ。なぜ東大新聞は困っているの? 「100万円の損失です」。同紙編集長の同大理科1類2年の丸沢英将さん(19)の表情は暗い。 同紙は1920年創刊、公益財団法人「東京大学新聞社」が発行する週刊新聞だ。現在、記者は1、2年生を中心に15人。1部170円で発行部数は通常8千部ほど。スマートフォンの専用アプリ(ソフト)での有料配信も手がける。7割が定期購読で、主な読者は現役東大生のほか、進学高校、予備校などだ。 続きを読む関連リンク東京大学新聞「不登校新聞」ウェブ版も 1100人の経験談な
「図書館体操」には避難を大声で呼びかける体操も含まれる=仙台市青葉区の東北大付属図書館 【日野克美】図書館の日常業務を広く知ってもらおうと、仙台市の図書館スタッフが「図書館体操第1」を考案した。独特の動きが、図書館員らの間で話題になっている。 仙台市青葉区の東北学院大学中央図書館のスタッフ庄子隆弘さん(39)が昨年5月に考案した。本の置き場所を移動させる作業を思い浮かべながら体をリズミカルにひねったり、相談に訪れた利用者の話に大きくうなずいたり。図書館員の日常の業務を12の運動にまとめて、長さ3分間の体操に仕上げた。 体操中には「書架から離れてください!」と、大声で呼びかける動きも。「東日本大震災の時に、とっさに声を出せなかった反省も体操に込めた」と庄子さんは話す。 動画サイト「ユーチューブ」で公開しており、閲覧回数は2万を超える。 豊富なコンテンツをお読みいただくには、会員登録が
関連トピックス富士通 情報サービス各社が大学向け情報システム構築に力を入れている。富士通は20日、京都大学の図書館システムを刷新したと発表。新日鉄ソリューションズも同日、東京大学の学務システムをクラウドコンピューティング基盤に移行したと発表した。情報各社はシステム刷新時期にさしかかっている大学向けの需要を取り込んでいく。 京都大学は富士通製の大学図書館業務パッケージソフトを活用して図書館システムを刷新した。文献検索機能として、インターネット技術を活用した次世代OPAC(オンライン・パブリック・アクセス・カタログ)サービスを装備した。今後はスマートフォン(多機能携帯電話)などにも対応する。 東京大学は学務システムをクラウド基盤に移行した。自家発電設備のある新日鉄ソリューションズのデータセンター(DC)を経由したものに切り替えた。災害時に電力供給が不足してもシステムを安定的に稼働できる。
2008年度のNHK杯全国高校放送コンテスト兵庫県大会で、前年度の全国大会での審査ミスをテーマにした作品の発表を参加校に取り下げさせたのは表現の自由の侵害にあたるとして、兵庫県弁護士会が1日、県大会を運営する「県高等学校教育研究会視聴覚部会」に再発防止を求める警告書を出した。 県弁護士会によると、審査ミスがあったのは07年度の全国大会。神戸市内の県立高校放送部が制作したテレビドキュメント作品が、全国大会の運営事務局が誤って一部減点したため予選落ちした。事務局側もミスを認めたが、翌年度の再審査を「発表済みの作品は審査できない」と拒否した。 同校は、この審査ミスや再審査拒否をテーマにしたラジオ作品を制作し、08年度の県大会にエントリー。決勝を前にした08年6月、高校の放送部顧問の教師らでつくる視聴覚部会は「教育的配慮を欠く恣意(しい)的な番組構成」として、同校側に「発表を取り下げるか、部会
19日から配信が始まる「週刊ヤマケイ」の表紙=山と渓谷社提供19日に配信が始まる「週刊ヤマケイ」=山と渓谷社提供 山岳遭難が増加傾向にあるなか、山の最新情報を安全な登山に生かしてもらおうと、山と渓谷社は19日から、日本アルプスや八ケ岳などの山岳地の情報を載せる電子雑誌「週刊ヤマケイ」を無料で配信する。 紙で発行する山の雑誌は季節感を出すために1年前の同じ時期に取材して記事を書いており、最新情報は掲載できなかった。「週刊ヤマケイ」は、全国の山小屋のスタッフや登山ガイド約50人などに依頼して最新情報を収集。登山道の状況や危険箇所、高山植物の開花状況などを配信する。 警察庁によると、2010年は2396人が山で遭難。1961年以降最多を記録した。同社は「現地の最新情報を的確に把握することで未然に防げたケースもある」と分析。久保田賢次編集長は「山を愛するすべての人に登録していただき、安全、確
トラックに水揚げされるサバ幼魚。イワシの水揚げに交じっていた=6月1日、千葉県銚子市 大衆魚のはずのサバの養殖が、各地で始まっている。天然が不漁続きで、経費のかさむ養殖でもペイするほど魚価が上がってきたからだ。だが、エサには天然サバの幼魚が使われている。経営難の漁業者がサバ幼魚を大量にエサ用に水揚げしているためだ。資源回復の失敗のツケが、矛盾の漁業を生んでいる。 サバ養殖は十数年前に始まった。全国海水養魚協会によると、出荷はまだ年に数百トン程度と全需要の1%にも満たないが、九州や四国を中心に広がっている。天然の漁獲が減少、2009年はピークの29%の47万トンまでに落ちたことが背景にある。養殖魚は単価の高い刺し身用としての需要のほか、大分県の業者は「不漁で天然ものの価格が上がったため、養殖が成り立つようになった」と話す。 この養殖サバのエサに天然サバの幼魚が使われている。 天然サバ
「線量計つけず作業、日本人の誇り」 海江田氏が称賛2011年7月24日0時15分 印刷 Check 海江田万里経済産業相は23日のテレビ東京の番組で、東京電力福島第一原子力発電所事故後の作業に関連し、「現場の人たちは線量計をつけて入ると(線量が)上がって法律では働けなくなるから、線量計を置いて入った人がたくさんいる」と明らかにした。「頑張ってくれた現場の人は尊いし、日本人が誇っていい」と称賛する美談として述べた。 番組終了後、記者団に対し、線量計なしで作業した日時は確かでないとしたうえで、「勇気のある人たちという話として聞いた。今はそんなことやっていない。決して勧められることではない」と語った。 労働安全衛生法では、原発で働く作業員らの健康管理に関連し、緊急作業時に作業員は被曝(ひばく)線量の測定装置を身につけて線量を計るよう義務づけられている。作業員らが被曝線量の測定装置をつけずに作業を
【動画】無断で森林伐採 和歌山・熊野伐採された山の一部(右下)。左上は熊野速玉大社=13日午後5時16分、和歌山県新宮市、朝日新聞社ヘリから、荒元忠彦撮影伐採された雑木林=13日午後3時、和歌山県新宮市、杉山写す無断伐採された山林の位置 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」に含まれる和歌山県新宮市新宮の森林が、所有者の熊野速玉(はやたま)大社に無断で1ヘクタールにわたって伐採されていたことがわかった。新宮市森林組合は、「日当たりが悪い」という住民の苦情を受けて伐採したと説明している。 同大社や周辺の森林は文化財保護法で保護され、世界遺産のコアゾーンでもある。伐採や開発をする場合は市教委の許可が必要だが、森林組合は許可を得ていなかった。森林法や自然公園法にも抵触する可能性がある。 無断で伐採されていたのは、同大社本殿の南約300メートル付近の山の広葉樹で、軒並み地面から約
東日本大震災は、科学技術研究にも深刻な打撃を与えた。震度6弱に見舞われた茨城県つくば市の研究所では、長年かけて蓄積した生命科学の試料が失われ、世界有数の大型加速器などが損壊、被害の全容や今後の影響もわからない状態になっている。 約300の研究機関や企業の研究所が集まるつくば市。国内の遺伝子組み換え植物研究の中核機関の一つ、筑波大遺伝子実験センターが2日間停電した。マイナス80度に保っていた冷凍庫が0度近くに上昇。研究者から預かっていた遺伝子サンプルなどがダメージを受けた。 鎌田博センター長は「20年近くかけて作ってきたサンプルも失われた。やりなおしても作れない可能性もある。被害の算定もできない」と頭を抱えた。 産業技術総合研究所では、電子顕微鏡や化学実験で出る有害な気体を浄化する排気装置が大きく壊れた。被害総額は数十億円に上るという。 高エネルギー加速器研究機構(KEK)では、小林
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