人手不足の影響で経営破綻に追い込まれる“人手不足倒産”。景気回復で仕事が増えているにもかかわらず、働き手が足りないことから仕事を受けられずに事業継続の断念を余儀なくされる。そんな矛盾した現象が全国各地で相次いでいます。 (経済部記者 甲木智和) 「若い方ばかりでなく、60歳ぐらいまでの方に働いてもらえればと募集をかけていたが、電話も全然かかってこない。こんな状況は本当に初めてだったー」 これは、今回取材した運送会社の元社長の言葉です。この会社は人手不足の影響で、去年8月に破産を申請しました。異変が起きたのはおよそ3年前。退職したドライバーを補充しようとしても応募がぱったりこなくなったといいます。 会社は、景気回復で仕事が増えると見込んでトラックを新型に買い替え、実際、取引先からの発注は増えていきました。その一方で、ドライバーの確保が難しくなって、仕事を受けられない状況に陥っていきました。