キョンは住宅地にも出没し、家庭菜園を食い荒らす=千葉県自然保護課提供 この記事の写真をすべて見る 「ギャー」と悲鳴のような不気味な声で鳴き、農作物の食害などが問題になっているシカ科の特定外来生物「キョン」が、房総半島を北上している。繁殖力が強いために、駆除に取り組む自治体も拡大を止めきれない状況で、すでに利根川を越えた茨城県内でも見つかっている。地元の猟師らは駆除したキョンの有効活用方法を提案して、キョンの阻止を訴えている。 【写真】「くくりわな」で捕らえた「キョン」はこちら * * * 「この地域には、キョンがいっぱいいる。人間より出合うんだから」 太平洋に面した千葉県いすみ市。地元の石川雄揮さん(46)に連れられていった竹林で、体長70センチほどのキョンがうずくまっていた。脚には、くくりわなに使った細いワイヤが巻きついていた。 キョンは日本のシカより小型で、中国東南部や台湾に生