お金や物を直感的に公平に分ける人かどうかは、脳の扁桃(へんとう)体という部分の活動を調べると予測できる――。玉川大脳科学研究所の春野雅彦研究員らの研究で、そんな結果がわかった。20日付の米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンス電子版に掲載される。 知らない相手と一緒に仕事をし、平均報酬が約100円と仮定して、例えば「自分の報酬が177円で、相手が36円」だったら「ダメ」と感じるのか、「よい」と思うのか、「ちょっとダメ」「まあよい」の選択肢も含めて選んでもらい、公平感などを判断した。 64人の男女のうち、別の実験で判断が比較的ぶれない39人を選び、36通りの報酬の分け方を示し、数秒間で判断する際の脳の活動を機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で測った。すると、自分の報酬が多くても相手が多くても嫌がる「公平な人」たちに限って、報酬に差がある提示を受けた場合、側頭葉の内側にある扁桃体が活動し、差