2009年~2012年の2年半ほど自転車で世界一周をした。僕のような一般人に世界一周という選択肢がある日本は豊かな国であり、恵まれている。しかし、帰国してから感じていることは、日本で生活している人が日本より貧しい国の人々と比べても幸せそうに見えないということだ。 「経済的に豊か」を別の言葉で表すと「選択肢が多い」となる。 カンボジア人のほとんどはiphoneが買えないが、日本人なら手が届く。セネガル人が冷房が効いている部屋を望むことは難しいが、日本人なら冷房が効いている部屋に住むことは普通だ。ネパール人が海外旅行に行くことはまずないが、日本人なら年に一度くらい行くことは可能だろう。 経済的に豊かで選択肢が多いことは、どう考えたっていいことのように思える。我々は恵まれているのだ。けれども幸せに見えない。なぜだろう? その1つの解として「選択の科学」が答えを示している。