当時の日本人の一般的な思考として「敵に捕らわれることは恥ずかしいこと。日本国民としてあってはならないこと。敵に捕らわれそうになったら自殺するべき。」というものがあったようです(本土戦に突入するについて)。「一億玉砕」はそういった思想を端的に表している言葉とも言えると思います。 ところで、これは現代の天皇観から言って想像出来ないことかもしれませんが、当時としては「天皇が死ぬ(殺される)」というのは考えられないことでした(病死、老衰を除く)。即ち、「天皇は人にあって人にあらず、現人神(あらひとがみ)である。」というのが、当時の常識であったようです。つまり、天皇が戦争によって死ぬときとは、国民がすべて殺されて最後に天皇一人が残ったときであり、国が滅ぶときである、ということになります。もちろん、当時の普通の国民は「日本が負ける」なんてことは想像すらしなかった(できなかった)わけで、当然、「一億玉砕