消費が拡大すると景気が良くなる。 よく言われることです。これは、反対に言うと景気が悪い原因は消費が少ないからだとなります。この考え方から、昨今の景気対策では、いかに消費を増やすかに焦点を当てることが多いですね。 でも、本当に消費拡大が好景気につながるのでしょうか? 神武景気の背景には民間設備投資ブームがあった 戦後の日本経済は、朝鮮戦争の特需、神武景気、岩戸景気、いざなぎ景気などによって回復していきました。戦後経済の変遷については、経済安定本部、経済審議庁、経済企業庁内国調査課長、同経済研究所長、同審議官を歴任した内野達郎さんの著書「戦後日本経済史」で詳しく解説されています。 国民の消費が伸びている状態を好景気と言いますが、消費が景気をけん引していると考えることには疑問があります。同書の昭和30年代前半の神武景気を解説している部分を読むと、国民の消費ではなく設備投資が好景気をもたらしたこと