飛来数全国一のマガモのブランド名「常陸国天然まがも」の発表会。小さな字で「ひたちのくに」と読み仮名が振られている=水戸市笠原町の県庁で2023年11月30日、木許はるみ撮影 「常陸牛」「常陸乃国いせ海老」……。茨城県が「常陸○○」の名で高級食材を売り出す中、ブランド化に思わぬ壁があった。読み方だ。全国の20~30代の半数程度が「常陸」を読めないという調査結果が明らかになった。 「常陸」は茨城の旧国名。由来は諸説あり、713年編さんの「常陸国風土記」では、一つの道が続く「直通(ひたみち)」と、ヤマトタケルが巡行した際に袖を浸したため「ひたす」から「ひたち」に転じた二つの由来が書かれている。 では、なぜ「常陸」の表記なのか。茨城の歴史に詳しいかすみがうら市歴史博物館の千葉隆司館長は「理由はわかっていないんですよね」と明かし、「当たり前のことは資料が残りにくく、地名の字も資料が少なくて研究が難し
国際通貨基金(IMF)は23日までに、2023年の日本の名目国内総生産(GDP)がドルベースで世界3位から4位に転落し、ドイツに逆転されるとの見通しを示した。円安によりドル換算で目減りしたほか、物価変動が影響する名目GDPのため、日本よりも高いドイツの物価上昇率が反映されたとみられる。 GDPは為替の影響が大きく、実際の順位は年末までの為替動向に左右される。ただ日本は低成長が長期化している。経済規模は国際的な発言力につながっており、逆転されると日本の存在感が一段と低下しそうだ。 IMFが公表した経済見通しによると、23年の日本の名目GDPは約4兆2308億ドル(約634兆円)で前年比0・2%減。一方ドイツは8・4%増の約4兆4298億ドルとなる。
商業施設や住宅を中心部に集約させる「コンパクトシティー」構想は、疲弊する地方都市の「切り札」として、約30年間にわたり期待されてきた。だが、いまだに明確な成功事例を築くことができていない。実際に街を歩き、「失敗の本質」を探った。 この原稿は計3回の連載です。 コンパクトシティー30年 失敗の本質は/上(本記事) 国のコンパクトシティー政策チグハグ 郊外開発も推進/下 別稿 コンパクトシティー 次世代路面電車に活路も 色とりどりの洋服やユニークな雑貨が並んでいたテナントスペースは消え、職員が淡々と市民に応対する窓口になっていた――。 私は2011~17年、初任地の青森支局で勤務した。今年8月10日、JR青森駅の目の前にある地上9階建ての大型ビル「アウガ」を6年ぶりに訪ねると、若者たちでにぎわったかつての商業ビルは、無機質な市役所にリニューアルされていた。 アウガは01年にオープン。地下に青果
ロシア南部ロストフ州の南部軍管区司令部周辺から離れる準備をするワグネルの戦闘員たち=2023年6月24日、AP ロシアの民間軍事会社「ワグネル」と創設者プリゴジン氏が24日に起こした反乱は、わずか1日でスピード決着した。ただ、ロシアやウクライナの情勢には波紋が広がっている。 今後の焦点となるのはワグネルの動向だ。ペスコフ露大統領報道官によると、今回の蜂起に参加しなかった戦闘員たちについては、正規の契約兵として軍に迎える手はずを整えたという。一方で蜂起に参加した部隊をウクライナの前線に再び送り出すことはあり得ないと説明している。 南部ロストフ州ではワグネルに声援も ワグネルの部隊は今月1日までに、ウクライナ東部ドネツク州の激戦地バフムトの前線から撤収したと伝えられてきた。そのため、ワグネルの部隊そのものが前線に戻らなくても、ロシア軍にとって大幅な戦力低下には直結しない公算が大きい。 それでも
孫の瑛翔さんを乗せて自慢のトゥクトゥクを走らせる早田常男さん=福岡市南区で2022年9月17日午前10時42分、井上俊樹撮影 街中や観光地などで最近、タイで「トゥクトゥク」と呼ばれる三輪の自動車を見かけることが増えてきた。ホテルなどの送迎車やレンタカーとして使うケースが多いが、中には個人でオーナーになる人もいる。風を切って走る爽快さはもちろん、新型コロナウイルスの感染拡大も人気の背景にあるようだ。なぜ今、トゥクトゥクなのか。 福岡市南区の建築業、早田(そうだ)常男さん(73)は、2020年12月に個人で4人乗りのトゥクトゥクを購入した。きっかけは新型コロナだった。
大洗漁港で採取されたオトヒメクラゲ。かさの下の触手が8本あるのが分かる=アクアワールド茨城県大洗水族館提供 茨城県大洗町の大洗漁港で2005年に初採取されたクラゲが新種だったことが判明した。6月にスイスの学術雑誌に論文が掲載され、新種の「オトヒメクラゲ」として認められた。17年前に初めて捕まえたアクアワールド県大洗水族館の飼育員、斎藤伸輔さん(50)は「一生に一度の経験で、本当にうれしい」と顔をほころばせた。 斎藤さんが不思議なクラゲを発見したのは05年9月、毎月恒例のクラゲの試験採取でのことだった。大きさは6ミリほど。観察してみると、触手に房のようなとげ入れを備え、ウラシマクラゲに似ていたが、触手の数は8本とウラシマクラゲの倍。不思議に思い、その後も同じクラゲを採取しては観察を続けた。
奈良県警奈良西署から送検される山上徹也容疑者=奈良市で2022年7月10日午前8時59分、滝川大貴撮影 安倍晋三元首相(67)が奈良市内で参院選の街頭演説中に銃撃されて死亡した事件で、元海上自衛官で無職の山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=の自宅から押収されたノートに、母親が入信する宗教団体への恨みが記述されていたことが捜査関係者への取材で明らかになった。山上容疑者は岸信介元首相(故人)の名前を挙げ、「家庭を壊した団体を日本に招いたのが岸氏で、その孫の安倍氏を狙った」と供述していることも判明した。 奈良県警は安倍氏側と団体とのつながりが深いと思い込み、一方的に敵視していた疑いが強いとみている。
判決後、長崎地裁前で「勝訴」の幕を掲げる支援者ら=長崎市で2022年5月30日午前10時6分、松本美緒撮影 2007年に当時の長崎市幹部の男性から取材中に性的暴力を受けたとして、報道機関の女性記者が市に約7470万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決で、長崎地裁(天川博義裁判長)は30日、市の責任を認めて約1975万円の支払いを命じた。 訴状などによると、女性は07年7月、長崎原爆の日(8月9日)に市が開く平和祈念式典に向けた取材で、夜間に庁舎外で面会した市原爆被爆対策部長(当時)から被害を受けたと主張。心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し入院や休職を余儀なくされたほか、別の市幹部が性的暴力を否定する虚偽の情報を広めるといった2次被害を受けたとしてい…
後方にあべのハルカスがそびえ立つJR天王寺駅。万引き事件は近くの雑居ビルに入るドラッグストアで起きた=大阪市天王寺区で2022年1月、加古信志撮影 「万引きGメン」と呼ばれる私服保安員の30代男性宅に、心当たりのない不審な配送物が届くようになったのは約2年半前の冬だ。はき古した靴下やごみ袋、紙くず……。送り付けたのは、男性が万引きを見つけて警察に引き渡した人物だった。「捕まったことへの報復」と供述したが、名前も知らない保安員の住所をなぜ知っていたのか。この人物の刑事裁判を取材していくと、「情報源」の正体に背筋が凍った。 嫌がらせは2019年12月から突然始まった。使用済みの靴下やスリッパ、ごみ袋が詰められた段ボール箱が、大阪市内で暮らす保安員の自宅に着払いで届いた。 汚物の配送は約3カ月間で計5回に上り、風呂の残り湯を入れた大きな容器が収められていたこともあった。保安員は身に覚えがなく、「
「世界中が私たち(ロシア人)を嫌っている」。大学進学を目指して日本語学校に通うロシア人留学生のナターシャさん(仮名)が涙ながらに訴えた。2週間前には、家族に迷惑がかからないようにと匿名で取材に応じ、母国ロシアのウクライナ侵攻への怒りをあらわにしていた。「将来、何か日本人の役に立つ仕事がしたい」と夢も抱いていた。この短期間に「世界中が……」と絶望するほどに彼女を追い詰めたものは何なのか。【大野友嘉子】 現金を手荷物に入れて来日 ナターシャさんは、ロシアがウクライナに侵攻してから3週間ほどたった3月中旬に来日した。すでに日本や欧米諸国が経済制裁を発動していたため、出国後は国際送金の仕送りが受け取れなくなっていた。祖母が学費にと用意してくれた5700ユーロのうち3500ユーロ(当時のレートで約45万円)と、18万円を現金で手荷物の中に隠し、空港に向かった。 ロシア当局は3月に1万米ドル相当を超え
不登校になった男児の父親は担任教師の暴言や学校の対応が不適切だったと訴える=盛岡市内で2022年1月5日、日向米華撮影 盛岡市内の小学1年の男児が同級生からの嫌がらせや担任教師への恐怖心から不登校になっている。期待に胸を膨らませて入学したが登校できたのは数カ月ほどで、父親は家庭訪問もせず解決に動いてくれなかった学校側の対応に不信感を募らせる。市内の小学校の不登校児童数は増加の一途で2020年度は103人に上った。低学年では状況を自分で説明することが難しい場合もあり、学校の初期対応が重要になる。【日向米華】 男児は昨年6月中旬、学校に行けなくなった。父親(43)が理由を尋ねると、同級生にからかわれるなどの嫌がらせを受け、「担任の先生が怖い」と打ち明けた。詳しい状況が分からず、事実なら改善してもらいたいと校長に男児の訴えを伝えたが、学校側から報告はなく、この間に家庭訪問や担任からの連絡は一切な
記者会見する尼崎市教委の中道隆広・職員課長(右)と梅山耕一郎・教育次長=兵庫県尼崎市役所で2021年9月1日午後3時2分、中村清雅撮影 兵庫県尼崎市教委は1日、市内の小学校の教諭が、新型コロナウイルスの感染判明後に出勤して授業をしていたと発表した。市教委はこの教諭が勤務する小学校を3日まで臨時休校とした。 市教委によると、教諭は8月25日に38・8度の発熱があり、医療機関を受診。抗原検査の結果、新型コロナの陽性が確定した。その後、体調不良などを理由に勤務はしなかった…
東京オリンピックが閉幕した。選手の活躍が連日報道された一方、大会期間中に新型コロナウイルスの感染者が増え、医療態勢は逼迫(ひっぱく)。国民は開催の賛否で二分された。異形の五輪は何を残したのか。法政大前総長で江戸文化研究者の田中優子さんは、社会の分断について「五輪後も怖い」と危惧し、なぜ五輪を楽しめなかった人がいたのか、「想像することが大切」と話す。【山下智恵/デジタル報道センター】 コロナに楽観的な政府 ――五輪が8日、17日間の日程を終えて閉幕しました。どんな感想を持ちましたか。 ◆今回の五輪、あまり見ることができなかったんです。母の老老介護に加え、私の体調も良くなかった。その時、今の日本に「五輪どころではない人々」がたくさんいることに想像が及びました。コロナの感染患者、対応する医療従事者。コロナ禍で仕事を失って求職中の労働者や、食べ物を得るために配給に並ぶ人など。賛否以前に五輪を楽しめ
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