私は神経内科が専門なので、日常診療の多くがお年寄り相手である。高齢者というと医学的には65歳以上を指すが、実際に高齢として感じられるのは80歳を過ぎてからだ。70代は、健康であれば特別に高齢者としてみる必要はない。 しかし、多くのマーケティングでは70代をシルバー産業のターゲットとして捉えている。逆に、70代の当人はシルバーと言われることに抵抗感があり、自分とは関係ないと思っているのだ。多くの企業はそれに気がつけないでいる。 本音は言わない 高齢者を対象にマーケットリサーチしても役に立たないことが多い。その理由は、彼らが建前の回答しかしないからであり、本音が見えないからだ。 ロボットとともに介護施設を訪問して、一緒に体操をして楽しませるというようなことが行われている。インタビューすれば「こんな新しい器械と遊べて」と答えるが、本当は「わざわざこういうことをしくれているのだから、感謝しなければ
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