米国防総省国防高等研究計画局――通称、DARPA(ダーパ)。先端技術の軍事転用を検討するこの機関の研究内容は、ネットを通じてすべて知ることができる。その驚くべき内容を解説したのがジョナサン・モレノの『操作される脳』である。 脳をチェックし、コントロールする 脳スキャンと呼ぶべき、外部から脳の血流を可視化するシステムが発達してきた。この技術が進めば、イメージするだけでその意味を機械が読み取り、接続した義肢を動かせる。手足が不自由な人に活用されるのは良いことだが、同時に強力なサイボーグも生み出せてしまう。裏を返せば、外部からヒトの感情やストレスを読みとることも可能だ。テロリストの危険な考えを飛行機搭乗前に知ることもできるわけだ。 思考の理解に留まらず、化学的に、磁気的に脳へ影響をあたえる技術も発達してきた。応用させれば睡眠せずに過ごせるようになったり、記憶力や注意力を驚異的に伸ばせたりできると