22年前に国内で初めて大阪で発見された特定外来生物の毒グモ「セアカゴケグモ」。海外では死亡例もあり“殺人グモ”と騒がれたが、今も生息域を着実に広げ、41都道府県で確認されるまでに至っている。「強い繁殖力」という特徴は、強毒の「ヒアリ」にも共通するが、専門家は生態に関する情報が乏しい現状を踏まえ、ヒアリについても冷静な対応が重要だと訴えている。(細田裕也) ◇ 豪州原産で、熱帯から亜熱帯を中心に生息するセアカゴケグモ。腹部背面の赤い模様が特徴で、「α-ラトロトキシン」という神経毒を持つメスの個体にかまれると、嘔吐(おうと)や発熱などの症状が出る場合がある。一方、ヒアリと異なり、攻撃性はないとされる。 セアカゴケグモは、日本では平成7年秋、大阪府高石市で初めて発見。生態に関する情報のあやふやさを背景に、関西では毒グモ騒動が過熱した。 注意を呼びかけるビラが各地で配布され、行政による駆除