多くの物語が生まれた2017シーズンの明治安田生命Jリーグ。みなさまにとってのJリーグのある日常、そして、そこから生まれた物語とはどのようなものだったでしょうか。 2018シーズンは一体どんな物語が生まれるのでしょうか。 語り:松坂桃李 雷鳴のような轟音が、まだ、耳の奥で鳴り続けている。 それは、ぼく自身が発した絶叫の、その余韻に他ならない。 ぼくは考える。 この物語の結末にあるものは、歓喜なのか、絶望なのか。 ぼくらの日常は、容赦無く二分される。 すなわち、勝者の側と、敗者の側に。 それは、揺るぎの無い絶対的な真実として、ぼくらを分つ。 たった今、絶頂にいたかと思えば、次の瞬間、深い奈落の底に沈む。 ぼくらの日常は、フォルトゥナの車輪の上にあるのだ。 車輪?いや、そうではない。それはおそらく、球体だ。 そう。それは転がり続ける。 輝く歓喜の頂きの、その遥かな足下で、絶望