未だに"就職"したことについて聞かれることは多い。「現役大学生トラックメイカー」みたいな枕はいとも簡単にぶら下げられる。自分もそんな感じの扱いを受けた時期もあったが、そんなことより、興味があるのはその後の暮らしである。 音楽としてる人としていない人、才能がある人ない人、アーティストと一般人、演者と客…….憧れの人は見上げてしまいがちで、あちら側、こちら側みたいな区分、越えられない段差があるようにも感じてしまいがちである。でも実際は、その間はなだらかな坂、グラデーションであるように感じる。そして、インターネットはその間のグラデーションに光をあてる。"一億総クリエイター時代"とも言われるが、インターネットはこちら側の人間を、あちら側へ連れていってくれる魔法ではない。ただ、インターネットやDTM(テクノロジーによる創作の民主化諸々)の力によって、グラデーションの途中にいることがわかっただけでも、