「史上最強の棋士は誰か?」 将棋ファンの中で論議が尽きないテーマである。候補として名前が挙がりそうな棋士は、それぞれのファンの中に数多くいるだろう。 ではちょっと視点を変えて「史上最強の女流棋士は?」というと、現在、女流棋界の最前線で戦っている2人は有力な候補と言える。いうまでもなく里見香奈女流四冠と西山朋佳女流二冠だ。 2022年度が始まってから、すぐさま両者はマイナビ女子オープン(タイトル名は女王)と女流王位戦、2つの女流タイトル戦で番勝負を争った。この4~6月だけで両者は10局も指している。年度同一カードの最多記録が、00年度に谷川浩司十七世名人―羽生善治九段戦で、05年度に羽生九段―佐藤康光九段戦で記録された23局なので、それを更新する勢いである。 里見は「週に2度対局することもありましたので、多いのは実感していました」 西山は「今年は里見さんと今までで一番指しているなという感覚が