「日本製鉄がグローバルでもう一度、世界一になることは『必須』だ。だから無理だと言われても挑戦した」 日本製鉄の橋本英二会長(69)がUSスチールの買収完了後、テレビカメラの前で初めて単独インタビューに応じた。 買収の禁止命令を出したバイデン前大統領を提訴し、買収に反対していたトランプ政権と厳しい交渉を続けてきた橋本会長。幾多の障壁に、何を思い、何を感じていたのか、買収の舞台裏を聞いた。 (経済部記者 猪俣英俊) 大統領選挙後の誤算 橋本会長 「事務的な期限からアメリカ時間の6月13日午後6時がタイムリミットだった。大統領にサインいただけないなら、こちらから買収を辞退して違うことを考えますと腹をくくった」 アメリカ政府との最終局面の交渉で手応えを感じていた橋本会長ですら、最後の瞬間まで100%の確信はなく、買収を辞退することも頭をよぎったという。トランプ大統領が買収を認める大統領令にサインし
