4年制大学の進学率に関する国際調査では、34カ国のうち女性が男性を下回るのは日本とトルコだけです。日本で大学進学率の男女格差があるのは、雇用のあり方と密接に関わっています。ダイバーシティー(多様性)に詳しいシカゴ大の山口一男教授(社会統計学)に聞きました。
生活の足として。レジャーやスポーツとして。日ごろ利用している人にとっては「乗れて当たり前」の自転車だが、乗り方を覚える機会を逃したまま大人になった人たちもいる。「私たちも風を切って走りたい」。そんな大人の女性のための合宿を訪ねてみた。 静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンター。2020年の東京五輪・パラリンピックで自転車競技会場となる「伊豆ベロドローム」があることで有名だ。 9月末の土曜の午前。30~60代の女性7人が、緊張した面持ちで屋内練習場に集まった。40年以上前から年数回、1泊2日で開いている「女性のための自転車教室」だ。 「スタンドは必ずロックをかけて」「ブレーキは左手(後輪)から」……。基本動作の説明の後、まずは自転車を押して大きな弧を描きながら歩く。次に自転車にまたがり、両足で床をけって進む。 すぐにコツをつかんだ人もいれば、スピードに乗れずよろける人も。「難しいですね」。
男女格差(ジェンダーギャップ)の大きさを国別に順位付けした世界経済フォーラムの今年の報告書で、日本は過去最低の「114位」。特に格差が顕著だったのは政治分野だった。この順位をどう受け止めるか。3選をめざした10月の衆院選新潟4区で落選した、前衆院議員の金子恵美氏(39)に聞いた。 ――議員活動の中で、女性であることの壁、やりにくさを感じたことは。 それはたくさんあります。妊娠、出産、子育てと、1人の女性としてのライフステージが、議員生活では当たり前ではありませんでした。党内からは「妊娠するタイミングも分からないのか」と言われました。何も言い返せませんでした。おそらく、衆院はいつ解散するか分からないから、万が一おなかが大きかったらどうするんだ、ということなのだと思います。 でも、それを言われてしまうと議員にすらなれない。私には、1人の女性として、1人の人間としての生き方の中に、当然ある期間だ
神戸市長選が8日に告示され、前市議の光田あまね氏、再選をめざす現職の久元喜造氏、元兵庫県加西市長の中川暢三氏、共産党兵庫県委員会委員長の松田隆彦氏の4人が無所属で立候補を届け出た。衆院選と同じ22日に投開票される。 多くの地方都市と同様、神戸市も人口減少の課題に直面する。かつての輝きを取り戻そうと、神戸市は都心部の三宮の再整備を計画しているが、そのあり方をめぐり、さっそく各候補者が舌戦を繰り広げた。 神戸市は1956年に横浜、名古屋、京都、大阪各市とともに最初の政令指定都市となり、「5大都市」の一つに数えられた。だが2015年国勢調査の人口は約153万7千人で、前回より約7千人減った。福岡市に抜かれ、政令指定都市で6位に転落した。 働き手となる若者が、神戸を離れていく問題も指摘される。神戸市が05年と10年の国勢調査をもとに人口増減数を分析すると、この5年間で25~29歳が約9千人減ったと
総選挙 日本の岐路 作家・中村文則さん寄稿 衆議院が解散となった。解散理由の説得力のなさは、多くの人がすでに書いているので、ここでは繰り返さない。僕もその件に関し首相の発言を様々に観(み)たり読んだりしたが、わからなかった。 でも今回の解散は、ある意味首相らしいとも言える。首相はそもそも様々なことに対し、もう国民を納得させる必要をそれほど感じていないように見える。本当の説明をせず、押し通すことに、もう「慣れて」しまっているように見える。これは、とても危険なことだ。 安倍首相を積極的に支持している人達は、共謀罪をあのような形で成立させても、森友学園問題で首相夫人を私人と閣議決定しても、親友で何度も会っている、加計学園の理事長の長年の目標(15回申請していた)の獣医学部への想(おも)いを今年の1月20日まで知らなかったと言っても、その件で関係者達が国会で「記憶にない」を連発しても支持してくれる
母との関係に苦しみ、距離を置こうと一歩を踏み出した女性の投稿に、共感や励ましが寄せられています。朝日新聞「ひととき」への反響です。罪悪感にも悩みながら、家族や自分の生き方と向き合う人たちの声を紹介します。(田中陽子) 広島県の女性(49)は《私の気持ちはおかしいものではないんだ、と気が楽になりました》とメールを寄せた。 威圧的な父、父に従う母に叱られてばかりで、いつも親の顔色をうかがっていた。ほしい服があっても、透けているから親が嫌がるなどと察し、言えなかった。 結婚後、実家に関わると吐き気に襲われるようになった。縁を切りたい。一方で、親不孝だろうか、世間や親戚は非難するだろうか、とも考える。「覚悟ができていないんだと思う」と話す女性は、メールの最後に《私は私の人生を生きたい》と記す。 罪悪感を振り払い、自分の道を進もうとする人もいる。奈良県の女性(59)は、《親不孝者で十分だ。世間が何と
●相談者 女性 20代 20代の女性です。私は死に関わることがとても怖いです。 先日身内に不幸があり、葬式に出席しました。けれど、遺体を前にすると怖くて手が震えて、身体が自由に動かず、過呼吸のようになり、涙が止まらなくなってしまいました。以前もこうなりました。 決して死を「穢(けが)れ」と思…
「麻央さんはブログを通じ、病で苦しんでいる人たちを笑顔にしたかったのだと思う」。小林麻央さんの死去を受けて、「はなちゃんのみそ汁」(文芸春秋)を家族で著した福岡市の安武信吾さん(53)が取材に語った。信吾さんは、2008年に乳がんで33歳で亡くした妻を小林さんに重ねた。 妻の千恵さんもブログを書いていた。「最初はがんであることを人に言わなかったが、ブログを書き始めてふっきれたのか、明るくなった」と振り返る。「気持ちをはき出し、受け止めてもらって。『分かち合い』ができたのが大きかった。麻央さんもそうだったのでは」 千恵さん亡き後、信吾さんは茫然自失(ぼうぜんじしつ)の毎日を過ごした。未来が全く描けなくなった。自分を取り戻すきっかけとなったのは、長女はなさん(14)が作るみそ汁だった。千恵さんが「1人でも生きていけるように」とはなさんに教えたもの。安武さんの話にじっと耳を傾けてくれた周囲の存在
南米ウルグアイから、前大統領のホセ・ムヒカさんが初めて日本にやって来たのは今年4月のことだった。1週間の滞在中、東京や大阪の下町を歩き、多くの学生とも触れあったムヒカさん。帰国後は、日本や日本人についてスピーチのなかで触れる機会が増えたという。「清貧」を貫く哲人政治家の目に、日本の何が、どう映ったのか。これから世界は、どう変わるのか。今春に続き、9月に再び、首都モンテビデオにムヒカさんに会いに行った。 ロボットは消費をしない ――日本訪問の1カ月前、ムヒカさんは私の取材に、「日本のいまを、よく知りたい。日本で起きていることのなかに、未来を知る手がかりがあるように思う」と話していました。実際、日本を訪ねてみて何か見えてくるものがありましたか。 「ひとつ心配なことがある。というのは、日本は技術がとても発達した国で、しかも周辺には労働賃金の安い国がたくさんある。だから日本は経済上の必要から、他国
年賀状シーズンのこの時期、活版印刷の魅力を楽しむ人が増えている。速くて均質なオフセット印刷やインターネット上での文書のやりとりが普及する中で廃れたが、インクのにじみや凹凸感など、活字が持つ独特の温かみや質感の魅力が見直されているという。 特殊印刷を得意とする「河内屋」(東京都港区)にはこの時期、年賀状を活版印刷で依頼する注文が殺到する。代表取締役の国沢良祐さん(48)によると、4、5年前から、年賀状やチラシなどの印刷で、紙ならではの質感を生かした活版印刷や、箔(はく)押し、厚盛り加工といった特殊印刷の依頼が増えたという。「ウェブ上で手軽に告知できる時代に『わざわざ紙で印刷するなら』と付加価値を求めているのだろう」と話す。 「自宅で手軽に活版印刷が楽しめる」とうたったキットも人気だ。文字や画像をパソコンで作成して特殊な樹脂などで型を取り、簡易なプレス機に通すと名刺やメッセージカードなどが刷れ
歴史家として見るなら、起きたのは当然のことです。ここ15年間、米国人の生活水準が下がり、白人の45歳から54歳の層の死亡率が上がりました。で、白人は有権者の4分の3です。 自由貿易と移民が、世界中の働き手を競争に放り込み、不平等と停滞をもたらした、と人々は理解し、その二つを問題にする候補を選んだ。有権者は理にかなったふるまいをしたのです。 奇妙なのはみんなが驚いていること。本当の疑問は「上流階級やメディア、大学人には、なぜ現実が見えていなかったのか」です。 選挙戦では、候補個人について多くのうその応酬がありました。しかし、社会について語る場面では、真実を口にしていたのはトランプ氏の方でした。 彼は「米国はうまくいっていない」と言いました。ほんとうのことです。「米国はもはや世界から尊敬されていない」とも言いました。彼は同盟国がもうついてこなくなっている事実を見ています。そこでも真実を語ったの
結婚やセックスをする人は少数派で、子を産むと社会保障を受けられるが、生まれた子は国や社会のもの――。日本の未来予想図を想起させるような小説が、話題を呼んでいる。『アカガミ』と『消滅世界』をそれぞれ著した作家の窪美澄(くぼみすみ)さん(50)と村田沙耶香(さやか)さん(36)が語りあった。 《作品のあらすじ》 窪美澄『アカガミ』(河出書房新社) 2020年を境に若者たちは自殺へ駆り立てられ、性や恋愛への関心を失っていた。主人公の女性は、男女を「番(つが)い」にして「まぐわい(セックス)」により子どもをもうけさせる国の制度「アカガミ」に志願する。 村田沙耶香『消滅世界』(同) 生殖は人工授精のみで行われ、夫婦間のセックスは近親相姦(そうかん)とされる世界。主人公の女性は「交尾(セックス)」で生まれ、自らもセックスをする珍しい存在だ。男性も人工子宮をつけ、抽選で当たった人が順番に人工授精をする実
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