中国の工場で製造した餃子の毒物中毒事件は多くの人たちに衝撃を与えた。この事件の全容はまだ解明されていないので、そのレベルについても偶発的な事故なのか意図的な事件性を帯びたものなのかも現段階では軽々に論ずることは出来ない。ただ巷間の論調を見ていると、またぞろ輸入食物は危ないとか、やはり自給率の向上が大事だとかいった議論が喧しくなってきているようだ。しかしこういう議論はじつは「自動車は事故ばかり起こして危ないから禁止してしまえ」とか「飛行機は墜落した時にいっぺんに大勢の犠牲者を出すからやめてしまえ」あるいは「原発は危険だから廃止が必要」といった与太話と論理を同じくすることに気づかない人が多いように思える。かりに中国だけが危険だからと中国からの取引だけ禁止し、東南アジアのどこかの国に移転したとする。すると今度はその国でも同様な問題がおきないという保証は無い。では規制・管理の厳しい日本国内で全てを