農産物や金属など、世界中で大量に取引される「商品」(コモディティー)の国際価格が軒並み上がっている。農産物ではカカオ豆やオレンジ果汁が、金属では銅などが、今年に入り史上最高値をつけた。共通する背景として、地政学的な緊張や気候変動といった「供給側の制約」が浮かび上がる。世界的なインフレ(物価高)を長引かせる可能性も指摘されている。 これらの「商品」は世界各地の商品取引所で主に先物が売買され、刻々と市場価格がつく。農産物では他にもコーヒー豆やオリーブオイルが、金属ではアルミニウムやスズが値上がりしている。 現在は落ち着いたが、ロシアのウクライナ侵攻後には原油や天然ガスなどのエネルギー、小麦やトウモロコシなど穀物の価格も歴史的な水準まで高騰した。 いずれも供給不足が値上がりの要因とみられる。生産地での紛争激化▽欧米によるロシアなどへの経済制裁▽異常気象や病害の蔓延(まんえん)▽環境保護意識や資源