「この件については、何もお答えできないことになっているんです」 7月下旬。ある自動車部品のカルテル事件について米司法省との司法取引に応じることになったメーカーに、その経緯について問い合わせると、広報担当者からは捜査が継続中であることを理由に、一切のコメントができないという回答が返ってきた。 米司法省の報道発表に合わせて出した自社のプレスリリースの文面さえ、関係者の厳重なチェックを受けた上でようやく公表できたものなのだという。同社の回答では事実関係についての理解は深まらなかったが、米司法省への強い恐怖心だけは十分に伝わってきた。 米司法省、約2年で20社を摘発 米司法省による日系自動車部品メーカーの摘発が後を絶たない。9月26日には日立オートモティブシステムズやミツバ、三菱電機など9社が同省に自動車部品の価格カルテルを認めたと発表。罰金総額は9社合計で約7億4000万ドル(740億円)に上っ