池上:特攻という戦術そのものが、パイロットという貴重な「資産」をコスト=消耗品とみなした、愚かな作戦だったというわけですね。一方のアメリカは、腕っこきのパイロットがいかに貴重な「資産」であるかを自覚していた。だから、特攻なんかあり得ない。ちゃんとパラシュートをつけて、いざ撃ち落されてもパイロットだけはパラシュートで降下して、しかも水上で回収できるように、あらかじめ空中戦が予想される海域に救難用の潜水艦や船を待機させておきました。 加藤:なぜ、軍が、こういった若い少年兵たちを、大切な資産と考えられなかったかといえば、それは結局、戦時中の日本が、真の意味で、議会で民意を決するといった、民主主義国家ではなかったからです。話が飛ぶようで恐縮ですが、このような、国民をとりまく政治体制の質というのでしょうか、これが問題となります。社会学者で思想家の清水幾太郎は、「兵隊は各国の文化及び思想のインデックス
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