不況を克服するには、正確な原因分析が不可欠だ。正確な原因分析を行うには、最新の経済学の研究成果を踏まえた有用な分析ツールが必要だ。だが、池田信夫・上武大教授とともに、『なぜ世界は不況に陥ったのか』(日経BP社)を執筆した池尾和人・慶大教授は、日本の政治家・官僚・ジャーナリストは古い経済思想に囚われていると指摘する。では、私たちは何を間違っているのか。「世界標準の経済学」とは何か。上下2回に渡って、聞いた。 池尾和人(いけお かずひと) 昭和28年1月12日京都市生まれ。京大経済学部卒。京大経済学博士。岡山大助教授、京大助教授、慶大助教授などを経て、平成7年より慶大経済学部教授。Photo by T.Fukumoto ―池田信夫氏との共著『なぜ世界は不況に陥ったのか』の本の帯にある「政治家・官僚・ジャーナリストが囚われている古い経済思想」とは何か。 ひと言で言えば、「俗流化されたケインズ