「あかつき」の観測データをもとに作成された金星の画像(Credit: JAXA / ISAS / DARTS / Damia Bouic)金星は「宵の明星」や「明けの明星」として古くから親しまれてきましたが、その地表は気温が摂氏およそ480度、気圧がおよそ90気圧と過酷な環境。人間の生存はもちろん、無人の探査機でさえも活動が困難な場所です。いっぽう、中層から下層の雲は気温や気圧が地表ほど過酷ではなく、大気中に生命が存在する可能性も指摘されています。今回、金星の大気に生息するかもしれない生命のライフサイクル(生活環)を想定した研究成果が発表されています。 ■金星の雲の中で増殖し、雲の下で休眠する生命体を想定Sara Seager氏(MIT:マサチューセッツ工科大学)らの研究グループが想定したのは、硫酸を主成分とした金星の雲を構成する水滴の中に生息する仮想の「微生物」のライフサイクルです(あく