血液中の脂質の濃度が基準の範囲にない状態を脂質異常症といいます。動脈硬化性疾患にならないようにするためには、早期に脂質異常症を改善する必要があります。いずれの脂質も食事からの摂取だけでなく、肝臓でも作られて血液で全身に運ばれますから、摂取する栄養素の量と組み合わせを調整して対応しましょう。 血中LDLコレステロールを下げるためには、体重を適正にし、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸、コレステロール摂取量を制限し、不飽和脂肪酸を過不足なくとり、食物繊維を積極的に食べるようにします。トリグリセライドを下げてHDLコレステロール濃度を上げるためには、適正体重を目指す(維持する)よう総エネルギー摂取量に考慮します。そして、炭水化物エネルギー比率を50~60%の中で低めに設定し、アルコールを制限して、n-3系多価不飽和脂肪酸のEPAやDHAを確保します。高カイロミクロン血症の場合は中鎖脂肪酸の利用も考えまし