緩やかに変化する事業で長期的な人材育成を 2017年4月、山梨県甲州市勝沼町に新しいワイナリー「マグヴィスワイナリー(MGVsワイナリー)」が誕生した。代表の松坂浩志氏は、半導体ダイシング加工や裏面加工を手掛ける塩山製作所の代表取締役社長でもある。 同氏の実家は、明治時代から続くブドウ農家で、松坂氏も委託でワインを造るほどのワイン好きだ。それがワイン事業への進出を決めた理由の一つだが、理由はそれだけではない。地域での人材育成に対する思いが、ワイナリー立ち上げの大きな動機付けになったという。 1998年に塩山製作所の社長に就任した松坂氏は、就任以来、半導体事業の変化の激しさを目の当たりに、苦しめられてもきた。 「半導体事業は変化のサイクルが非常に短くなっています。かつては15年周期でしたが、今日では5年周期。変化の周期がこれだけ短くなると、長期的な視点に立って人材を育成することが難しくなりま