東京電力が福島第1原発の事故時の操作手順書のほとんどを墨塗りして衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会に提出した問題で、東電は27日、1号機の手順書の原本を経済産業省原子力安全・保安院に提出した。保安院が同日、原子炉等規制法に基づき1~3号機の手順書を経産相に報告するよう命じたのに応じた。2、3号機も28日中に提出する。 提出を命じられていたのは、事故のタイプごとに対応をまとめた手順書▽機器に表れた異常ごとに対応をまとめた手順書▽過酷事故(シビアアクシデント)の際の操作手順書の3種類。保安院はこれまでに3度、特別委の要請に基づき任意提出を求めたが、東電が「核物質防護上の機密」などを理由に従わなかったため、「事故調査に必要」として法律に基づく命令を出した。 保安院は内容を精査した上で、核物質防護上の機密情報や知的財産にかかわる部分などを除き、10月中にも特別委に開示する。東電の松本純一原