東京や大阪などのクリニックが他人のさい帯血を国に無届けで投与していた再生医療安全性確保法違反事件で、白血球型(HLA型)が患者と十分に適合していないさい帯血が繰り返し使われていたことが、捜査関係者への取材で分かった。愛媛県警などの合同捜査本部は、安全性が不確かなさい帯血が繰り返し投与されたとみて捜査している。 専門家らによると、さい帯血投与の際は患者のHLA型と一致するか事前に調べる必要がある。免疫に関わる6種類の物質(抗原)のうち4種類以上が一致するのが望ましいとされる。ただ、抗原が全て一致する確率は兄弟姉妹で4分の1程度だが、非血縁者間だと4種類以上一致するのは数万分の1しかない。あまり一致していないさい帯血を投与されると、合併症などのリスクが高まるという。 捜査本部の調べでは、全国で無届け投与されたさい帯血は、篠崎庸雄(つねお)容疑者(52)が2010年に設立した茨城県つくば市のさい