ミニ解説:無矛盾微分演算子 概要 画像処理において時間や空間の偏微分は必須の演算です。 この演算は,ディジタル画像上では着目点近傍のメッシュ点の画素値の荷重和の演算となります。 このときの荷重に選び方によって Sobel演算子や微分ガウシアン演算子など多くの方式が用いられてきました。 無矛盾微分演算子とは, この演算の中に含まれる自己矛盾を最小化するように最適設計した演算子のことで, 微分を用いるあらゆる画像処理手法の精度を格段に向上する効果があります。 数値微分の自己矛盾 数値的な偏微分に内在する自己矛盾は,著者が指摘するまで全く認識されていませんでした。 例えば画像の勾配を取る処理では,1枚の画像からxとyの2枚の微分画像を計算します。 2枚の画像をそれぞれ積分したときに何らかの同一画像に戻れば矛盾はありませんが, 従来の方法ではこのようにはなりません。 それぞれの微分に元の画像とは