米マサチューセッツ州政府は2012年8月、医療情報交換(HIE)システムの構築・運営の補助金として、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)から約1700万ドルの資金を受け取ったと発表した。この資金を用いて、同州はクラウドベースのHIEインフラを構築する計画だ。同州のみならず、全米の各州政府の間では近年、SaaS(Software as a Service)プロバイダーを利用してHIEシステムの構築に伴う障壁を緩和しようという動きが強まっている(関連記事:クラウドコンピューティングが変える医療の未来)。 「州全体をカバーするHIEインフラを構築する」という取り組みほど、技術的に多くの課題を内包するITプロジェクトは他にはまずない。ソフトウェアの構成設定と、必要なハードウェアの確保は、この手のプロジェクトの2つの要素にすぎない。州政府はさらに、患者のデータを保護してプロバイダーの関与を管理す