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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (716)

  • 古代の反乱から始まった ユダヤ教徒の光の祭り

    エルサレム旧市街の壁。ハヌカの期間中、夜になるとカラフルなメノーラーが点灯する。(PHOTOGRAPH BY YONATAN SINDEL, FLASH90/REDUX) ユダヤ教の光の祭り「ハヌカ」を祝うときが来た。2020年の日程は12月10〜18日の8日間だ。特に現代に入ってから人気が急上昇している祭りだが、その起源は、紀元前4世紀にペルシャ帝国を征服したマケドニア王アレクサンドロス3世(アレクサンドロス大王)の死後に訪れた激動の世紀にまでさかのぼる。(参考記事:「アレクサンドロス大王の墓、21年がかりで探求」) ハヌカの起源 アレクサンドロス大王が紀元前323年に死去した後、配下の将軍たちによる覇権争いが勃発し、100年以上にわたって戦いが続いた。最終的に、セレウコス朝シリアが勝利を収め、ユダヤ(現在のイスラエル中部)を含むアレクサンドロス大王の領土の大部分を支配した。セレウコス朝

    古代の反乱から始まった ユダヤ教徒の光の祭り
  • かつて海の底だったエベレスト、実は今も成長中

    エベレストの山頂を朝日が照らし出す。(PHOTOGRAPH BY EDSON VANDEIRA, NATIONAL GEOGRAPHIC IMAGE COLLECTION) エベレストの頂上に立った登山者は知らないかもしれないが、積雪の下に広がる灰色のまだら模様の岩石は、かつて海底に存在した。 この岩石が標高9000メートル弱という驚くべき場所に到達したのは、プレートがゆっくり移動しているためだ。プレートは地殻を構成する十数枚の硬い岩盤で、絶えず押し合いへし合いの覇権争いを繰り広げており、その結果は私たちが目にする地形に表れる。ある場所では、プレート同士が遠ざかり、地表に谷ができる。別の場所では、プレート同士が衝突、隆起して山になる。 チベットとネパールの国境にそびえるエベレストは数千万年前、インドプレートとユーラシアプレートが衝突してできたものだ。衝突によって地質が圧縮され、現在ヒマラヤ

    かつて海の底だったエベレスト、実は今も成長中
  • アラスカ沖の火山列島、実は1つの巨大火山か

    米アラスカ州のフォー・マウンテンズ諸島は、実際にはこの4つを含む6つの火山で構成される。写真中央のクリーブランド山は、アリューシャン列島で最も活発な火山のひとつ。上空には主要な航空路があるため、この列島の火山災害に関する研究は極めて重要だ。「ここは僻地だと思われており、実際そうなのですが、その9000メートル上空を毎日何万人もの人が通過しているのです」と地球物理学者のジョン・パワー氏は語る。(PHOTOGRAPH BY NASA) 米アラスカ州南部沖にあるフォー・マウンテンズ諸島(IFM)という火山列島は、実は1つの巨大なカルデラの一部かもしれない。その可能性を示す証拠が、12月7日に米地球物理学連合(AGU)の年次大会で発表された。もし当なら、その巨大な火山はかつて、1980年のセントヘレンズ山の大噴火が小さく見えるほどの大爆発を起こした可能性がある。(参考記事:「特集:シリーズ 地球

    アラスカ沖の火山列島、実は1つの巨大火山か
  • 氷原が解けて過去6千年分68本の矢が見つかる、ノルウェー

    ノルウェーのラングフォンネ氷原から出てきた木製の矢柄を調べる研究者。氷の中に閉じ込められた大昔の遺物が、近年の氷の融解で発見されることが増えている。年代は放射性炭素年代測定法を用いて特定される。(GLACIER ARCHAEOLOGY PROGRAM, INNLANDET COUNTY COUNCIL) ノルウェーの考古学チームが、同国の高山に広がる約24ヘクタールの氷原(アイスパッチ)で、氷から解け出てきた矢を何十も発見した。なかには6000年前の矢もあった。 異例の高温となった2014年と2016年の夏にラングフォンネ氷原で行われた遠征調査では、トナカイの骨と角も大量に発見された。猟師たちが何千年もの間、この氷原を利用していたことが示唆される。その間、彼らが使う矢じりの素材は石や淡水貝から鉄へと進化したが、その狩猟技術は変わらなかった。 研究チームは11月25日付けで学術誌「Holo

    氷原が解けて過去6千年分68本の矢が見つかる、ノルウェー
  • NYの巨大クリスマスツリーに隠れていたフクロウ、森へ帰る

    アメリカキンメフクロウのロッキー。レイブンズビアード・ワイルドライフ・センターでリハビリ中に撮影。ニューヨーク州北部からニューヨーク、マンハッタンのロックフェラーセンターに運ばれた高さ25メートル近いクリスマスツリーの中で発見された。(PHOTOGRAPH BY RAVENSBEARD WILDLIFE CENTER) 小さなフクロウが回復力の大きなシンボルになっている。フクロウは巨大なクリスマスツリーに入った状態ではるばるニューヨークまで運ばれてきたが、無事に生き延び、11月24日、再び自由の身になった。 北米で最も小さなフクロウのひとつである体長20センチ足らずのアメリカキンメフクロウは、高さ25メートル近いトウヒの根元に隠れているところを発見された。このトウヒはニューヨーク州北部で切り倒した後、ニューヨーク市マンハッタン、ミッドタウン地区のロックフェラーセンターにトラックで運び込まれ

    NYの巨大クリスマスツリーに隠れていたフクロウ、森へ帰る
  • 中国の探査機「嫦娥5号」が月へ、野心的なサンプルリターン計画

    中国の探査機「嫦娥5号」は、リュムケル山の近くに着陸する予定。リュムケル山は、月の表側の北西部に位置する高さ1100メートルほどの火山性の丘だ。リュムケル山を写したこの写真は、月周回軌道に入ったアポロ15号から乗組員が撮影した。(NASA) 11月24日、中国の月探査機「嫦娥(じょうが)5号」が、海南島の文昌宇宙発射場から「長征5号」ロケットによって打ち上げられた。目指すのは、月の土壌や岩石を採取して地球に持ち帰るという、中国史上もっとも複雑で野心的なミッションだ。成功すれば、米ソが盛んに月を目指した1970年代以来の快挙となる。 嫦娥5号は4日間かけて月の軌道へ到達すると、月着陸機を放出し、月の表側の北西部、リュムケル山の近くに着陸させる。着陸機はそこで地表に穴を開け、土壌サンプルを収集し、保護カプセルに格納する。 重さ2キログラムほどのサンプルを格納したカプセルは、着陸機から月周回軌道

    中国の探査機「嫦娥5号」が月へ、野心的なサンプルリターン計画
  • 時代を築いた巨大望遠鏡が解体へ、破損相次ぎ、プエルトリコ

    アレシボ天文台のパラボラアンテナの上空。受信機を吊るすケーブルをチェックする技術者のルイス・エレディア氏。1989年撮影。(PHOTOGRAPH BY ROGER RESSMEYER/CORBIS/VCG VIA GETTY IMAGES) 57年前に建設され、数々の功績を残してきた巨大望遠鏡が、その使命を終える。 米国立科学財団(NSF)は11月19日、カリブ海の米自治領プエルトリコにある、アレシボ天文台の電波望遠鏡の運用を廃止すると発表した。崩壊の恐れがあるため、望遠鏡を解体する予定という。 「子どもの頃、アレシボ天文台に触発されて天文の道を志した人間として、これは衝撃的な決定で、心が張り裂けそうです。この天文台が今日まで、どれほどプエルトリコの励みになってきたかを、私は見てきました」と、米テキサス州にある月惑星研究所(LPI)のエドガード・リベラ=バレンティン氏は、ナショナル ジオグ

    時代を築いた巨大望遠鏡が解体へ、破損相次ぎ、プエルトリコ
  • ここまでわかったストーンヘンジ、その謎と壮大な規模

    この20年で考古学者たちは、周辺の様々な証拠をつなぎ合わせ、建造にあたった新石器時代の人々について実に多くのことを明らかにしてきた。天文学の知識と土木技術、そして強い決意をもつ古代人が建てたストーンヘンジは、後世の人々の想像力を何千年もの間かき立ててきた。 あの魔術師と王の伝説も ストーンヘンジにはさまざまな仮説がある。なかでも最も有名かつ空想的な仮説は、アーサー王伝説に含まれる物語だろうか。12世紀の年代記作家ジェフリー・オブ・モンマスは著書『ブリタニア列王史』のなかで、魔術師のマリーンがアイルランドから石を運んだと書いた。 同じく12世紀の作家であったヘンリー・オブ・ハンティングドンはこう表現している。「驚くべき大きさの石がまるで門のように立てられ、門の上に門が置かれているかのようだ。また、それらの石がいかにしてあの高さまで持ち上げられたのか、そもそもなぜあの場所に立てられたのか、誰に

    ここまでわかったストーンヘンジ、その謎と壮大な規模
  • ストーンヘンジに地下トンネル計画、英政府が承認、賛否両論

    英国政府は、世界遺産ストーンヘンジの近くを通る交通渋滞がひどい道路を、トンネルを掘って地下に移設すると発表した。 (PHOTOGRAPH BY STEVE PARSONS, PA IMAGES/GETTY) 英国政府がストーンヘンジの世界遺産登録エリアの地下に、4車線のトンネルを建設する計画を承認したことで、論争が巻き起こっている。 現在ストーンヘンジのそばを走るハイウエーA303は、道幅が狭くて交通渋滞がひどいことで悪名高い。そこで総工費22億ドル(約2300億円)の改善計画が進んでいるが、問題となっているのはこの計画の一部である長さ3.2キロのトンネルだ。 このトンネルは、考古学者や環境保護活動家、そしてストーンヘンジを崇める人々から強い反対があったにもかかわらず、承認された。賛成派は、トンネルにより来の景観を取り戻し、年間160万人を超える観光客がより良い体験ができるようになると主

    ストーンヘンジに地下トンネル計画、英政府が承認、賛否両論
  • “最も汚染された街”デリーの大気汚染が秋に最悪に、インド

    ある朝、スモッグに覆われたインドの首都ニューデリーのプラガティ・マイダン駅付近。地下鉄デリー・メトロの柱に植物が植えられているのは、野焼きで秋冬に悪化する大気汚染を緩和するためでもある。(PHOTOGRAPH BY SAUMYA KHANDELWAL) 今年もまた、インドのデリー首都圏にあの季節がやって来た。灰色がかったオレンジ色のスモッグが立ち込める中、ドアや窓を固く閉めて空気清浄機を動かさなければならない。 インドの首都ニューデリーは世界で最も大気汚染が深刻な都市の一つだ。自動車、石炭火力発電所、料理用コンロなどが主な原因だが、悪化の度合いは時期によって変わり、最も悪化するのは秋だ。インド北西部のパンジャブ州とハリヤナ州で、コメ農家が次に植える小麦のために9月下旬頃から田畑を焼く煙が流れてくるからだ。

    “最も汚染された街”デリーの大気汚染が秋に最悪に、インド
  • 世界一過酷なヨットレースに挑む、勇敢な6人の女性たち

    2020年のヴァンデ・グローブのためにカンパーニュ・ド・フランス号でトレーニングをする英国人スキッパーのミランダ・メロン氏(51歳)。氏は今回のレースに出場する6人の女性たちの一人だ。(PHOTOGRAPH BY CAMPAGNE DE FRANCE, VENDEE GLOBE 2020) 怪物のような大波、クジラとの衝突、大海原の真ん中での転覆。世界一過酷なヨットレース「ヴァンデ・グローブ」の恐ろしさは並大抵ではない。このレースに出場する選手たちは、単独でどこにも寄港せずに世界を一周することが求められる。 「海のエベレスト」とも呼ばれるヴァンデ・グローブは、およそ4万8000キロを3カ月かけて航行する、肉体的にも精神的にも究極のレースだ。完走者には世界からの称賛が待っている。最高の栄誉は、2016-2017年のレースでアルメル・ル・クレアッシュ氏が打ち立てた74日間という大会記録を破るこ

    世界一過酷なヨットレースに挑む、勇敢な6人の女性たち
  • 歴史に残る謎の集団失踪、北米の「消えた入植者」で新発見

    1587年、男女子ども合わせて100名以上が船で英国から米ノースカロライナに渡った。新しい植民地を建設するためだ。3年後、彼らの姿は消えており、後にはわずかな手がかりだけが残されていた。(PHOTOGRAPH BY MARK THIESSEN, NATIONAL GEOGRAPHIC) 米ノースカロライナ州で最近発掘された陶器の破片は、英国から初めて米大陸に入植した悲運の「消えた入植者たち」が使っていたものだった。そんな大胆な主張が、ある謎をめぐる長年の議論に新たな火をつけた。1587年、ノースカロライナのロアノーク島に残された男女子ども合わせて115名に、いったい何が起こったのかという謎だ。(参考記事:「消えた16世紀の入植者、115人の影を探して」) ロアノーク島から西へ80キロ、アルベマール湾を見下ろす断崖の上で、「ファースト・コロニー基金」の調査チームは陶器を大量に発見した。英国製

    歴史に残る謎の集団失踪、北米の「消えた入植者」で新発見
  • 謎の高速電波バースト、発生源は「マグネター」

    中国の500メートル球面電波望遠鏡(FAST)、通称「天眼」。今年4月、天眼は銀河系内で初めて検出された高速電波バーストの発生源であるマグネターSGR 1935+2154の性質を探るのに貢献した。(PHOTOGRAPH BY BOJUN WANG, JINCHEN JIANG WITH POST PROCESSING BY QISHENG CUI) 2020年4月28日、わずか1000分の1秒という一瞬の間に、強力な電波バーストが地球に押し寄せた。天文学者たちは、電波望遠鏡がとらえたこの奇妙な信号をたどり、発生源となる天体を突き止めた。宇宙の謎の一つが、ついに解き明かされるかもしれない。 11月4日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載された3編の論文によると、この信号の正体が「高速電波バースト」であることが国際研究チームによって特定された。高速電波バーストは、持続時間が数ミリ秒以内の非常に激し

    謎の高速電波バースト、発生源は「マグネター」
  • グレタさん語る「ポスト真実の社会」の危機を生き抜くこと

    「グレタ」と題されたポートレート。(PHOTOGRAPH BY SHANE BALKOWITSCH, NOSTALGIC GLASS WET PLATE STUDIO) 2年余り前に、スウェーデンの国会議事堂の前で初めての座り込みをして以来、グレタ・トゥンベリさんの基的なメッセージは明確かつ不変だ。 「気候危機は人類の存続にとって最大の脅威であり、我々は相応の対処をする必要がある」というそのメッセージは、何百万人もの若い活動家たちに、変化を求める抗議行動へと駆り立て、トゥンベリさんは一躍世界的な有名人となった。(参考記事:「2020年4月号 地球を守ろうと闘う若者たち」) しかし、新型コロナウイルスのパンデミックのさなかにある現在、17歳の活動家トゥンベリさんは、スウェーデンに戻り学校に通っている。ナショナル ジオグラフィックはZoomを介してトゥンベリさんにインタビューを行い、この1年

    グレタさん語る「ポスト真実の社会」の危機を生き抜くこと
  • エベレストの本当の高さは? ネパールと中国が最新の計測

    2019年の登山シーズン、モンスーンの雲に覆われたエベレストの頂上。(PHOTOGRAPH BY FRANK BIENEWALD, LIGHTROCKET, GETTY IMAGES) 2019年5月22日、ネパール人測量家で登山家のキムラル・ガウタム氏(35歳)は、エベレストの山頂に立った。だが、感動的な風景に目を奪われることも、雄姿をカメラに収めることもなく、ガウタム氏はすぐに作業に取り掛かった。 もうひとりの測量家と3人のシェルパ族のガイドに助けられて、雪を被った山頂の最も高い場所にGPS(全地球測位システム)アンテナを設置すると、アンテナはいくつもの人工衛星を使って、その正確な位置を記録し始めた。次に、地中探知レーダーを使って足元の雪の深さを計測した。 ネパール政府に派遣されたガウタム氏らの目的は、エベレストの標高を再計測することだった。あれから15カ月以上が経過し、その結果発表が

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  • グリーンランド氷床融解、過去1万年強でも「突出して速い」

    グリーンランド氷床の現在の融解速度は、自然のサイクルの一部としては速すぎると科学者らは言う。氷床がすべて融解すると、地球の海面は約7.4メートル上昇する見込みだ。(PHOTOGRAPH BY MARTIN ZWICK, REDA&CO/UNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES) 今世紀中にグリーンランドの氷床(地表を覆う氷の塊で規模の大きいもの)の融解は、完新世が始まって以来、例のない速さで進むようになる。そんな警戒すべき予測が、最新の研究で明らかになった。完新世とは、人類の文明が発展したこの1万2000年間のことだ。 9月30日付けで学術誌「ネイチャー」に発表された論文は、グリーンランドの氷床が急速に減る時期に入っていることを、最新の証拠に基づいて明らかにした。グリーンランドの氷床には、全て解ければ地球の海面を約7.4メートル上昇させるだけの水がある。人類が

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  • 火星の地下に複数の湖が存在か、幅20キロに広がる毒性の水

    NASAのマーズ・グローバル・サーベイヤーが2005年4月に撮影した火星(複数画像を合成)。南極にある氷冠が写し出されている。その地下1.6キロの深さに、液体の水をたたえた湖があると考えられている。(NASA/JPL/MALIN SPACE SCIENCE SYSTEMS) 地球外で生命を探す科学者たちの合言葉は「水を追え」だ。このほど火星の南極に、そのターゲットにふさわしい場所が見つかった。厚い氷の下に大きな湖があり、それをいくつもの小さな池が取り囲んでいるとする最新の研究成果が発表されたのだ。 「湖が一つだけポツンとあるのではなく、水系が存在すると思われます」と、イタリア、ローマ第三大学のエレナ・ペティネッリ氏は語る。氏が共著者として名を連ねるこの論文は、9月28日付で学術誌「Nature Astronomy」に掲載された。 2018年、ペティネッリ氏の研究チームは、火星の南極の地下に

    火星の地下に複数の湖が存在か、幅20キロに広がる毒性の水
  • オフィスに出勤は時代遅れ?「デジタルノマド」という選択肢

    新型コロナウイルスによるパンデミックでオフィスが閉鎖されている間に在宅勤務に慣れた人の多くは、世界中のどこからでも仕事ができるようになりたいと考えている。(PHOTOGRAPH BY GARY YEOWELL, GETTY IMAGES) 米グーグル社のシニアマネジャーであるアーサー・ディーン氏は、「デジタルノマド」(リモートワークをしながら世界中を旅する生活スタイル)が自分向きだとは思ってもみなかった。オフィスにいないと仕事にならないと考えていたのだ。しかし、パンデミック(世界的な大流行)によって状況が変わった。 4カ月もの間、ワシントンDCの自宅で勤務を続けていて気が変になりそうになったディーン氏は、とにかくそこから逃げ出したかった。米国人を受け入れてくれて、合理的な安全対策が講じられていそうな場所を探し、7月にカリブ海のアルバ島に飛んで1週間を過ごした。 「海に浸かりたかったし、気持

    オフィスに出勤は時代遅れ?「デジタルノマド」という選択肢
  • シベリアにまた謎のクレーターが出現、過去最大級

    シベリアで新たに発見されたクレーターは、これまでに発見された同じタイプのクレーターの中では最大級で、深さは約50mある。(PHOTOGRAPH BY EVGENY CHUVILIN) 最近、シベリアのツンドラの上空を飛んでいたロシアテレビクルーが、興味深いものを発見した。サッカー場の半分ほどの大きさの深いクレーターが、凍った大地にぽっかりとあいていたのだ。クレーターの周囲には数百メートルにわたって氷や土の塊が飛び散っていて、それらが地中から噴出したものであることは明らかだった。 シベリアの北極圏では、2014年以来、こうしたクレーターが続々と見つかっている。科学者たちは、このクレーターは泥と氷の丘の下に閉じ込められたメタンガスや二酸化炭素が爆発してできたもので、今後、地球温暖化とともに増えていくだろうと予想している。とはいえ、この現象についてはわからない部分が多い。 「何が起きているのか

    シベリアにまた謎のクレーターが出現、過去最大級
  • 「貧困への逆戻りが起きる」ビル・ゲイツ氏に聞くコロナ下の世界

    【動画】ビル・ゲイツ氏の財団が発表した年次報告書「ゴールキーパーズ・レポート」第4刊について、ナショナル ジオグラフィック英語版編集長のスーザン・ゴールドバーグがビル・ゲイツ氏に話を聞いた。(インタビューは英語です)(NG MEDIA) ビル&メリンダ・ゲイツ財団は2020年の年次報告書「ゴールキーパーズ・レポート」を公開し、新型コロナウイルス感染症の世界的流行(パンデミック)があらゆる指標において人類の健康と福祉に悪影響を与えていると分析した。(参考記事:「ゴールキーパーズ・レポート:ワクチンの公平な配布、富裕国買い占めに比べて死者半減」) このレポートは、極度の貧困、飢餓、ジェンダーの不平等を根絶するために国連が設定した持続可能な開発目標(SDGs)の達成状況を評価するもので、4刊目となる今回は、新型コロナの影響で、その目標のほぼ全てにおいて長年の進歩が後退したと指摘。パンデミックの終

    「貧困への逆戻りが起きる」ビル・ゲイツ氏に聞くコロナ下の世界