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ブックマーク / science.srad.jp (104)

  • ハチノスツヅリガの幼虫の唾液にポリエチレンを分解する酵素 | スラド サイエンス

    ポリエチレン (PE) の酸化と解重合を可能にする酵素がハチノスツヅリガの幼虫の唾液から発見された (論文、 マルガリータサラス生物学研究センターのプレスリリース、 The Register の記事)。 研究を率いた Federica Bertocchini 氏は趣味の養蜂家でもあり、蜜蝋をべる養蜂の害虫であるハチノスツヅリガの幼虫 (以降、幼虫) を捕まえてPE製の袋に入れておいたところ、袋に穴をあけて逃げ出してしまったことが研究のきっかけとなった。 Bertocchini 氏の研究グループは幼虫が PE をべて生分解できるという研究成果を 2017 年に発表しており、2020 年には別の研究グループが幼虫の腸内細菌叢とのかかわりを示唆する研究成果を発表している。 微生物による PE の生分解は非常に長い時間を要するだけでなく、紫外線照射や加熱といった非生物的な事前の酸化処理が必要と

  • 『NMRパイプテクター』を疑似科学と評価、明治大学科学コミュニケーション研究所 | スラド サイエンス

    疑似科学をテーマにした取り組みを行っている明治大学科学コミュニケーション研究所は15日、水道管の防錆装置とされる「NMRパイプテクター」についての研究結果について発表した。NMRパイプテクターは、特定の電磁波により、配管内に核磁気共鳴(NMR)を起こすことで、「赤錆を黒錆に変える」などの防錆効果に加え、金魚の成長促進、ご飯が美味しく炊ける、血圧の抑制効果などがうたわれているらしい(明治大学科学コミュニケーション研究所)。 同研究所の発表した理論の観点、実証データ、データと理論、社会的観点からなる評定早見表では評価はすべて「E」となっている。研究では熱力学の法則に反した主張である点やNMRパイプテクターの根幹である防錆効果については、データの再現性が低い、理論面で致命的な欠陥をいくつも抱えているなどの論評が並び、NMRパイプテクターは評定の10条件のすべてで問題があることから疑似科学であると

  • 木星と土星、12月下旬には満月の見かけの直径の4分の1ほどまでに接近 | スラド サイエンス

    最近は日没後の南西の空に並んで見える木星と土星だが、今後日を追うごとに近付いていき、12月下旬には最接近するそうだ(国立天文台 - ほしぞら情報)。 木星と土星が最接近するのは12月22日3時頃だが、日では既に地平線の下にあるため、実際に最も近付いた状態で観察できるのは12月21日の日没後だという。2つの惑星は満月の見かけの直径の約4分の1にまで接近する。望遠鏡を使えば木星と土星に加え、木星のガリレオ衛星も同じ視野に捉えることが可能とのこと。なお、木星と土星は7月に相次いで地球との距離が最も近くなる衝を迎えていた。 12月17日時点では2つの惑星の距離が満月の見かけの直径程度だが、その左下に細い月が見えて美しい眺めになるそうだ。ただし、日没後の高度は低く、2時間あまりで沈んでしまうため観察可能な時間は限られる。国立天文台では南西の方角の見晴らしの良い場所での観察を推奨している。

  • NASA、宇宙の不吉なサウンドを集めたプレイリストを公開 | スラド サイエンス

    NASAがハロウィンにちなみ、宇宙の不吉なサウンドを集めたプレイリスト「Sinister Sounds of Space」を公開している(NASAのニュース記事、 SoundCloudのプレイリスト)。 公開されているサウンドは探査機や観測衛星が取得したデータを可聴周波数帯域に変換したもの。プレスリリースではNASAの火星着陸機InSightが捉えた火星の地震(marsquake)「Martian Quake Sol 173/235」(トラック7/8)や、ESAの宇宙望遠鏡Planckが捉えた138億年前の宇宙の波動「Sounds of Ancient Universe」(トラック9)、NASAのX線観測衛星Chandraが捉えた銀河中心のイメージ「Galactic Sonification」(トラック14)、NASAの木星探査機Junoが捉えた木星のプラズマ波「Jupiter's Aur

  • 中国、筋肉幹細胞による培養肉の開発に成功 | スラド サイエンス

    Anonymous Coward曰く、 中国・南京農業大学が動物の幹細胞を使って筋肉幹細胞の「培養肉」を作り出すことに成功した(AFP、人民網)。 研究チームは第6世代の豚の筋肉幹細胞を約20日間培養することで、5グラムの培養肉を作り出すことに成功したという。また、牛でも同様の実験を行っているようだ。 この肉は加工によって天然物の豚の挽肉と似た質感・色にできるとのこと。とはいえ、まだ品として一般に流通させるには大規模生産技術の確率や安全性などの評価といった課題があるという。

  • 東京大学木曽観測所の新観測システム「トモエゴゼン」、本格稼働を開始 | スラド サイエンス

    Anonymous Coward曰く、 東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センター木曽観測所が中心となって開発を進めてきた、105cmシュミット望遠鏡用の新観測装置「トモエゴゼン」が完成した。2019年10月より格稼働を開始する(トモエゴゼンプロジェクト、キヤノンの発表)。 84台のイメージセンサが並んでいるのはすごいですね。他の望遠鏡もこんな感じなのでしょうか。イメージセンサの間隔が広いように思えますが、縦横に視野をずらしながら6枚撮影して合成することで間を補完するようです(アストロアーツ)。 CCDのセンサでは隙間なく並べているものもあるようですが、CMOSのセンサに移行して高速撮影ができるようになったので技術的に無理の無いこの様な構造にしたのでしょうかね(天文月報の解説記事)。 格稼動前に超新星の新発見に成功しているようで、今後が楽しみです。

  • UCBの研究者ら、砂漠でも空気から水を取り出せるシステムを開発 | スラド サイエンス

    Anonymous Coward曰く、 米カリフォルニア大学バークレー校(UCB)の研究者らが、空気から水を取り出すシステムを開発している昨年、彼のチームはアルミニウムをベースにしたMOF-303と呼ばれる代替品を考案することに成功した。MOF-303であれば、1キログラムあたりわずか3ドルほどしかからないとしている(日経xTECH、Science、Slashdot)。 このシステムは金属有機構造体(Metal-Organic Framework、MOF)と呼ばれるタイプの多孔質材料をするもの。MOFは特定のガスを吸収する働きを持ち、開発されているシステムではアルミニウムをベースとした「MOF-303」というものが使われている。MOF-303は水蒸気を吸収し、それを液体として放出する特性を持つ。また必要な電力は太陽光パネルを用いた太陽光発電の電力で動作させている。 同チームは2014年にジ

  • 作業中のBGMが創造性を低下させるという研究結果 | スラド サイエンス

    作業中のBGMが創造性を低下させるという、英国とスウェーデンの研究グループによる研究結果が発表された(論文、 ランチェスター大学のニュース記事、 SlashGearの記事)。 BGMは認知機能に影響を与える環境刺激として知られており、描画のように空間的能力に関連する作業の創造性を向上させるという研究もある。しかし、BGMが創造性に与える好影響を支持する実験結果は少ない。研究グループは創造性テストとして使われる複合遠隔連想課題(CRAT)を用い、実験1)被験者が理解できない歌詞の音楽、実験2)歌詞のない音楽、実験3)被験者が理解できる歌詞の音楽、を被験者に聴かせて無音の場合と成績を比較した。課題は3つの英単語(例: stick/maker/point)が提示され、それらと共通して組み合わせてることのできる語句(例: match)を答えるというものだ。 実験1で使用した音楽は1990年代に英国

  • ビル・ゲイツが選ぶ、ブレイクスルーテクノロジー2019年版 | スラド サイエンス

    MIT Technology Reviewは毎年「10 Breakthrough Technologies」として、注目される10のブレイクスルーテクノロジーを選出しているが、今年は初のゲストキュレーターとしてビル・ゲイツ氏を招いている(MIT Technology Reviewの記事、 GeekWireの記事、 On MSFTの記事)。 ゲイツ氏が選んだブレイクスルーテクノロジーは以下の通り。原子力発電や人工肉、衛生的なトイレなど、ゲイツ氏が以前から注目しているカテゴリーも多いが、AIアシスタントの項目を含め、Microsoftは一切登場しない。 シミュレーションで対象物の扱いを決定するロボット モジュラー式小型リアクターなど原子力発電の新しい波 血液検査による早産の予測 子供にも使用可能な錠剤型腸内検査装置 がん細胞だけを攻撃するカスタムワクチン 牛を使用しない植物性人工肉・細胞培養肉

  • オランダの宇宙飛行士、国際宇宙ステーションから緊急通報番号に誤発信した体験を語る | スラド サイエンス

    ESA宇宙飛行士として2004年と2011年~2012年に国際宇宙ステーション(ISS)に滞在したオランダのアンドレ・カイパース氏が2日、オランダの公共ラジオ放送NPO Radio-1の番組「Met Het Oog Op Morgen」に出演し、誤ってISSから米国の緊急通報番号(911)に電話をかけてしまった体験を語っている(SlashGearの記事、 NOSの記事、 Hart van Nederlandの記事、 Kidsweekの記事)。 ISSの電話は米国・ヒューストンのジョンソン宇宙センター経由で電話回線に接続しており、外線に発信する場合は最初に「9」を押すのだという。国際電話の場合は続いて「011」を押すのだが、微小重力下で手元の定まらなかったカイパース氏は「0」を押しそこなってしまい(「9」を2度押した?)、「911」につながってしまったとのこと。翌日、カイパース氏は911に電

  • 魚は大きくなるにつれ深い海に移動するという「ハインケの法則」、原因は人間が食べるから | スラド サイエンス

    漁業によって魚の死亡率が上昇すると、大きな魚はより深い位置に移動するというシミュレーション結果が得られたという(ディスカバーチャンネル、Ars Technica)。 1900年代初期、歳を取って大きくなった魚は若い魚よりも深い場所に生息するようになるという「ハインケの法則」が提唱されたが、今回の結果を受けてこれは人間による漁業の結果引き起こされたのではないかとの議論になっているようだ。

  • 夢を思い出したければビタミンB6を摂取するとよいかもしれない | スラド サイエンス

    夢を目覚めた後に思い出すためにはビタミンB6が有効であるという研究結果が発表された(Discovery Channel Japan、WIRED、論文)。 この研究は豪アデレード大学の研究者らによるもの。ビタミンB6は神経伝達物質セロトニンの合成に関与するもので、実験ではビタミンB6を服用したグループは「夢を想起する能力」が向上することが確認できたという。さらに、「夢がよりはっきりしたものになる」といった効果も見られたという。

  • 心の声を読み取るウェアラブルデバイス「AlterEgo」 | スラド サイエンス

    米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループが、心の声を読み取るコンピューターインターフェイスを備えるウェアラブルデバイス「AlterEgo」を開発したそうだ(MIT News、The Verge、SlashGear、Guardian)。 AlterEgoは脳波計などを使用する脳コンピューターインターフェイス(BCI)とは異なり、顔に配置した電極を用いて心の中で言葉を発する(サイレントスピーチ)際に変動する神経筋の信号を読み取る仕組みだ。また、これまでに開発された精度の高いサイレントスピーチインターフェイスでは実際の発話と同様に口を動かす必要があるのに対し、AlterEgoでは意図的に口を動かす必要がない。3月のACM IUI 2018で発表された論文(PDF)では電極が顔の各部へタコの足のように伸びていたが、現在のプロトタイプではあごに当てるパッドに電極がまとめられている。 研

  • 「天宮1号」、3月末~4月前半に大気圏突入との最新予測 | スラド サイエンス

    中国が2011年に打ち上げ、2016年に破棄された宇宙ステーション実験機「天宮1号」は2017年後半に地球に落下すると言われていたが(過去記事)、この天宮1号の地球再突入の最新予測が出ている(ニューズウィーク日版)。 アメリカのエアロスペース・コーポレーションの予測では4月3日の前後1週間、つまり「3月27日から4月10日」としており、欧州宇宙機関(ESA)の予測では3月29日~4月9日とほぼ一致している。また、残骸の落下範囲は北緯42.7度以南と考えられており、日でも北海道南部から東北地方では破片などが落下する確率が高いと見られている。

  • 国際宇宙ステーションで謎の細菌が見つかる、地球外のものである可能性も | スラド サイエンス

    国際宇宙ステーション(ISS)の外壁で細菌が発見され、これが地球外のものである可能性があることが話題になっている(INDEPENDENT、トカナ、Slashdot)。 トカナの記事では「“未知の生命”が国際宇宙ステーションで採取」「人類とエイリアンが邂逅」などとされているが、実際のところは現時点ではこの細菌が地球外由来のものであるという証拠はないようだ。 この細菌の発見を明らかにしたのはロシアの宇宙飛行士で、ISSモジュールの打ち上げ時にはなかったものだとしている。ただ、超低温や高温に耐えられる細菌は地球上にも存在し、以前にもそういった地球由来の細菌が宇宙ミッションで見つかったことはあるそうだ。現在分析中とのことだが、とりあえずこの細菌には危険性はないように見えるという。

  • 子供の数を減らすことが二酸化炭素排出量削減に最も効果的という試算 | スラド サイエンス

    地球温暖化の原因となる二酸化炭素排出量の削減には「少子化」が大きな効果があるという調査結果が発表されたという(Forbes)。 この調査結果は、スウェーデン・ルンド大学の研究者らがまとめたもの(Environmental Research Letters掲載論文)。 この論文では、個人の生活の変化によって二酸化炭素の排出量がどれだけ変化するかが試算されている。その結果、大きく二酸化炭素排出量を削減できるものとして「子供を1人減らす」(年間58.6トン)、「自動車を使わない」(年間2.4トン)、「飛行機による移動を避ける」(大陸間1往復あたり1.6トン)、「野菜ベースの生活」(年間0.8トン)があるという(括弧内は削減できる二酸化炭素排出量)。 いっぽう、従来の取り組みであるリサイクルやLED照明の利用などはこれらと比べて大幅に効果が低いという。

    子供の数を減らすことが二酸化炭素排出量削減に最も効果的という試算 | スラド サイエンス
  • 免疫細胞「ミクログリア」が脳神経回路形成に繋がっていることを発見 | スラド サイエンス

    「ミクログリア細胞」と呼ばれる免疫細胞が、脳回路の形成に重要な役割をしていることが発見された(産経新聞、サイエンスポータル、生理学研究所の発表)。 ミクログリア細胞は脳内に存在するグリア細胞(神経膠細胞)の1つで、「小膠細胞」とも言われている。脳内の細胞の約10%を占めると言われており、神経組織が障害を受けた際に活性化して死んだ細胞や老廃物を除去し、その修復に関与する働きを行うことが知られていた。 また、ミクログリア細胞は脳内の細胞が正常な状態であっても、「四方に伸ばした突起を伸縮させながら、脳内のいろいろな構造に接触している」という。今回の研究では2光子顕微鏡を使ってマウスのミクログリア細胞と神経細胞の接触状態を観察した結果、「ミクログリアが神経細胞の突起に接触すると、神経細胞の接触した箇所に、将来の新たなシナプスの元になると考えられる『フィロポディア』という構造が形成され、その後実際に

  • NASA、小惑星監視団体との提携を打ち切り。小惑星リスクは投資に見合わず | スラド サイエンス

    NASAはB612財団とのSpace Act Agreement (スペース法協定、SAA) の打ち切りを決定した。SAAはNASAが宇宙開発等に必要な外部パートナーと提携するための仕組み。提携するとパートナーはNASAからの支援を受けることができる。B612財団は星の王子さまに登場する惑星から名付けられ、潜在的に危険な小惑星や隕石を見つけ出すことを目的としている(MOTHERBOARD、NASAリリース、forbes、Slashdot)。 しかし、この協定によって同財団には4億5000万ドルもの費用が提供されたにも関わらず、具体的な成果は出なかったという。また、監視のためのシステム構築なども大幅に遅れていることから、無期限契約とされてきたB612財団とのSAAは打ち切られることとなった。NASAは小惑星の衝突による危機が発生する確率は統計的にも低く、投資の価値は低いと判断したようだ。

  • 世界初、エタノールを生成する人工光合成の開発に成功 | スラド サイエンス

    大阪市立大学が太陽光を利用して酢酸からエタノールを生成することに成功したそうだ(ASCII.jp)。 今回開発した人工光合成系は光合成色素誘導体や人工補助酵素などを利用するもので、人工光合成系に太陽光を150分間当てると酢酸の約5%がエタノールに変換されるという。 これまでメタノール(炭素数1)を作り出す反応は発見されていたものの、エタノール(炭素数2)の合成は世界初となる。人工光合成を用いることで料となる作物を消費することなく燃料生産が可能となるとしている。

  • 無能な人は自身の無能さに気付けないため自信過剰になる傾向がある | スラド サイエンス

    1999年、学術誌「Journal of Personality and Social Psychology」で「ダニング=クルーガー効果」なるものが紹介された。これは、「無能な人には己の無能さを認識するに必要な高い知見が欠如しているため、己の無能さを認識することができない」というものである。そのため、無能な人はその無能さに悩まされたり、混乱したり、慎重になったりすることはなく、むしろ不相応な自信を持ってしまう傾向があるのだそうだ(Slashdot、Pacific Standard)。 これは机上の空論ではなく、実際に行われた実験で証明されているとのこと。その人物が持ち合わせている知識や技術が、文章力や感情知能、論理的推論、銃の安全管理、討論、金融知識など何であろうと、いずれにしても無能な人は大概にして自分の能力を過剰に評価してしまうという結果が得られているとのこと。