連合は今回初めて、パートや派遣社員など非正規雇用も含めた「すべての労働者」の待遇改善を要求の柱に掲げた。「同じ仕事をしているなら、同じ待遇に」。そんな切実な声に今春闘はどこまで応えられるのか。 「忌引休暇がなく、親族の葬儀には通常の休みを取った仲間もいた」 首都圏に本社を置く鉄道会社の子会社でパート勤めをする女性(59)はそう振り返った。仕事の内容はほぼ同じなのに、パートの待遇は低い。忌引休暇のほか、社員に支給されている食事補助券ももらえない。会社に改善を要求したくて労組に相談に行ったが、「『パートは労組に入れない』と加入を断られた」。 そこで女性らは昨年3月、パート仲間だけの組合を結成。独自に会社と交渉すると、会社側は秋になって忌引休暇のほか食事補助も認めてくれた。会社側は、パート労働者の待遇改善を目的にした「改正パートタイム労働法」が2008年4月に施行されたことを受け、「正社員との格