まだ自分が20台前半だった頃のお話。 会社からの帰り、お局様に片足突っ込みかけた先輩がいきなり声をかけてきた。 「私さん、編み物できるんでしょー?これでマフラー編んでちょうだい。すぐによろしくね、バレンタインまでよ!」と、紙袋を握らせると、「よろしくねー!」と言いながら、先輩は走って行ってしまった。 ポカーンとなりながら袋の中を見たら安っぽい毛糸が3玉入ってた。そういえば先輩、違う部署に転勤で来た男性といい感じなの~って仕事中話してたなぁ。そう思いながら家路についてたらバレンタインまで後5日だという事に気がついた、もてない自分。 家に帰るとすぐに父親に「これでマフラー編んで~」と、紙袋渡した。私が編み物できるのは父親のおかげ。父は上機嫌で編み始め、あっという間に終わった。「洗わないと…」と言ってきた父には「後で自分でやるから。ありがとう、お父さん」と、マフラーを紙袋に突っ込んだ。 翌日、先